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保護者登場

鈴仙「キーズナさん!席後ろでしたね〜。よろしくお願いします!」

キズナ「頼む……俺から安寧を奪ってくれるな……」

鈴仙「なんと!キズナさんから安寧を奪うなんてなんと極悪非道な!私だ。機関の妨害により、我が師が危機に瀕している。至急オペレーションルナティックを発動しろ。エル・プサイ・コングルゥ」

キズナ「待て、何がオペレーションルナティックだ!安寧とかけ離れているじゃねえか!」

鈴仙「ふふふっ、我が魔眼の前に安寧秩序など無に還る。残るは混沌のみ!」

キズナ「てめぇ、マジでふざけるなよ……」


学活など、転校生である鈴仙への学校紹介や案内が終わり、今は昼休みである。この数分でわかったことがある。こいつ(鈴仙)、実は厨二病だ……。正直に言おう。昨日までは俺も内心喜んでいた。だってうさ耳美少女だぞ!しかも強いんだ。アニオタなら感動するだろ!それなのになんで厨二病で適度にアニメネタを使ってくるんだ……ん?待てよ?こいつなんでアニメのネタを知ってるんだ?月から来たんだろ?あいつ……


鈴仙「あ、そうだ。昨日借りたアニメ面白かったです!ありがとうございます!!!」

キズナ「???」

鈴仙「あ、ラノベ借りた時に一緒に借りました。いやー、いいもの見せてもらいました〜」

キズナ「この泥棒うさぎ!」

鈴仙「誰が泥棒うさぎですか!!!ちゃんと貸してくれるって言ってましたよね!?」

キズナ「ラノベは貸すと言ったがブルーレイまで貸すとは言ってない!」


この状況下、クラスメイトは皆同じことを思っていた。


(((あ、あの空間に入れねぇ……)))


本来、転校生が来たらまずは元々いたメンバーからの質問攻め、これは必然のことであろう。しかし、鈴仙は休み時間になると速攻でキズナとの会話へ走るのだ。それによってキズナと鈴仙の周りは2人だけの空間が作られ、クラスメイトはまるで結界に阻まれたかのように近づくことさえ出来なかった。


キズナ「てかよ……お前は隠さなくてもよかったのか?」

鈴仙「ん?何がですか?」

キズナ「あれのことだよ、ほら…」

鈴仙「あーあれですね?」

キズナ「まだなんも言ってねーよ……」

鈴仙「またまた、熟年夫婦だなんて」

キズナ「そんなこと1ミリも思ってすらいねぇよ……」

鈴仙「むぅ……連れないですね……で、なんですか?」

キズナ「お前は月から逃げてきたんだろ?だったら正体を隠したりとかしないと見つかるんじゃね?そもそも周りもなんでうさ耳あるやついんのになんの反応もないんだよおかしいだろ」


そんなキズナのセリフにクラスメイトは内心で(そっちの空間に入れねぇから聞くに聞けないんだよ!)と叫んだ。そんなクラスメイト達を無視して鈴仙は話を続けた。


鈴仙「あー、それですね……私を囮に月の使者を捕まえてやろうって寸法です」


鈴仙の説明によるとこうらしい。月の使者、というか、月の都の人間がどんな目的で地上を調べているのかを調べたいらしい。そうなると月の使者なら何か知っているのではないか、と考えたそうだ。


鈴仙「と言っても……私も元々月の都にいましたけど、そういった話は聞いたことありませんでしたね……あれ、どうだったっけ?」

キズナ「考えられることといったら……月の都にはなくて地上にあるものとかを狙っているとか?」

鈴仙「そんなものあるんですかね?あっちは技術はこんなところよりも全然上ですし。あ、アニメとかはありませんからもしかしたら」

キズナ「それはさすがにねぇだろ。結局、目的が何かはわかんないから、それを調べたいからあえて正体がわかるようにしてると……」

鈴仙「まあ、ちょっと危険かもですけど、私は強いから大丈夫ですよ!」

キズナ「まあ、月から1人で逃げてきたらしいし、あの時も助けてくれたわけだしな……俺も何かしらの力になれればな……」

鈴仙「なんかいい能力とか持ってないんですか?」

キズナ「あるかよそんなもん……」

鈴仙「んー、あ、そういえば、うちの人がキズナさんに会いたいってさ」

キズナ「ん?そうなのか」

鈴仙「ええ、昨日のことを話した時に話がしたいとのことです」

キズナ「了解」


それから授業が終わり、俺と鈴仙は帰路を辿っていた。昨日の道にはもう月の民らしき人は見つからなかった。何事もなく家まで帰ることが出来た。


鈴仙「無事帰れました〜」

キズナ「件のうちの人ってのはもういるのか?」

鈴仙「多分いると思いますよ?ただいま〜!……あ、ほら、入って入って」

キズナ「お邪魔します〜」


鈴仙に手を引かれ、家にはいると……


???「おかえり〜鈴仙ちゃん!学校はどうだった?」

鈴仙「みんないい人でしたよ。学校も綺麗なところでした!」

???「それは良かったわね。あら?そちらがもしかして?」

鈴仙「はい、キズナさんです」

キズナ「どうも。キズナです」

純狐「私は純狐。鈴仙ちゃんを保護してます(笑)」

鈴仙「昨日言っていた、月の対抗勢力、その中心人物。って言っても今のところ私含めて3人みたいですけど」

キズナ「すくねぇな……大丈夫なのか?」

純狐「ふふふっ、私たち強いからね」

キズナ「……そうみたいですね」


純狐さんから放たれるプレッシャーに俺は身震いした。昨日の月の使者やそれに対峙していた鈴仙なんて比じゃない、それほどまでに純狐さんの……覇気と言うのがいいか……は凄かった。


純狐「あら、貴方なかなかの精神力してるわね」

キズナ「そうすか?」

純狐「ええ、鈴仙ちゃんがすごい人って言っていたからどれほどかと思ったら……私のプレッシャーにここまで耐えるとはね」

鈴仙「いやなんてことしてるんですか!?あれはキズナさんが持ってたアニメとかのグッズとかラノベとか凄かったってだけで……」

純狐「でも彼、精神力は常軌を逸しているわ。今はまだないようだけど何かすごい能力でも手に入れるかも」

キズナ「って言われてもピンと来ませんけどね…」

純狐「だって普通の人なら私の前に立つと吐くのよ。面白いでしょ」

キズナ「どこの強欲の魔女さんだよ!?ていうかあの作品知ってるんですか……」

純狐「ボクは強欲だからね」

キズナ「んやかましいわ」

純狐「ちなみにさっきのは冗談です」

キズナ「だと思いました……っ!?」


その瞬間、何か、殺気……とは違うが気配を感じて、飛び退いた。その方向を見ると……


???「あらららららん?バレちゃうとはね〜」

キズナ「おい鈴仙、知り合いか?」

鈴仙「そうですよ?どうかしましたか?」

キズナ「なんだよこの気配は……人間か?この人実は神ですって言われたら俺は信じるぜ……」

へカーティア「すごいわね貴方。正解、私は神。へカーティア・ラピスラズリ、純狐の友人よん」

キズナ「へカーティア……似てる名前を聞いた事があるような……ギリシア神話の女神にヘカテーかな?……関係あったりするのか?」

へカーティア「ん〜、どんな神様だったかしらん?」

キズナ「えっとですね……確か、天、地、海まで支配力を及ぼす権能を持つことを許されていて、3つの体を持つとか……」

純狐「!!!」

へカーティア「すごいわね。確かに私は3つの身体を持っているわ。まあ、残り2つの身体は別の世界にあるけど……」

キズナ「後半理解し難いけど、とりあえずすごい神だってのはわかった。服装神らしくないけど……神らしくない服を来ているのは神だってバレないようにとか?似合ってるけど」

鈴仙、純狐「「?????」」

へカーティア「ねえ!聞いた?純狐!ねぇ聞いた?この子にはわかるのよ私のファッションセンス!うん!気に入った!!!私の加護で能力を授けよう」

キズナ「は?え?」

へカーティア「ちょっと失礼」


そう言ってへカーティアさんは俺の頭に手をかざしてきた。


へカーティア「ふむふむ……じゃあこんな能力かしらん?」

キズナ「えっと……何をしたんですか?」

へカーティア「能力を授けました!貴方、えーっと」

キズナ「キズナです」

へカーティア「キズナね。キズナには、様々なものから力を借りることができる能力を授けるわ。この能力がキズナにとって一番適合する能力みたい」

キズナ「なんか強そうなんだが……」

へカーティア「授けた、と言っても、まだまだ適合するまでは時間かかると思うわよん。簡単なところから能力を使って練習するといいわよん」

鈴仙「あ、じゃあ私と1戦やらない?」

キズナ「……は?」

純狐「いいわね。じゃあこっち来て」

キズナ「いやいやいやいや、え?なんで?」

鈴仙「能力は使ってこそ身につく。能力の深淵を覗き、我がものにする。さすれば可能性の深淵を顕現させられるであろう」

キズナ「お前とりあえず厨二病っぽくしとけばいいと思ってるだろ」

純狐「れ、鈴仙ちゃん?あれ?……こんなにおかしかったっけ?」

キズナ「えこれもしかしてあれのせい???」

純狐「何か知ってるの?」

キズナ「昨日おたくの娘さんにアニメのブルーレイとラノベ持ってかれてそれを見た影響かと思われます」

純狐「む、娘さん///」

へカーティア「おーい、純狐さーん?あ、聞こえてないや」

鈴仙「ラノベは貸してくれるって言ってたじゃん!」

キズナ「ブルーレイの方は盗ったと認めたな?」

鈴仙「見終わったら返しますんで」

純狐「鈴仙ちゃん?」

鈴仙「ごめんなさい後で一緒に見ましょう。そうしてから返します」

純狐「許す」

キズナ「いやおかしいおかしい」

へカーティア「そうよ!私も見る!」

キズナ「もう諦めました……」

鈴仙「はい、というわけで行きましょう」

キズナ「クソが!話しそらして逃げられたと思ってたのに!」


結局、俺は鈴仙、純狐さん、へカーティアさんからは逃げられず、この家の地下にあるバカでかい練習施設(?)へと連れていかれるのだった……なんで地下にそんな空間があるんだよ、建築基準法はどうした?というツッコミをしたそこのお前ら……俺にもわからん。


キズナ「し、死ぬかと思った……」

鈴仙「あんなもんで死にはしませんよ〜。今まで何をしてたんですか?」

キズナ「逆にあんなこと日常的に起こる方がおかしいだろうよ……」

へカーティア「で、能力の方はどう?」

キズナ「とりあえず簡単な物はできるようになりましたよ。まだまだ未知数なところもありますけど……」

純狐「でも、自然のものから借りるって言うのは面白かったわ。上手く使えば鈴仙ちゃんにも勝てるようになるかもよ?」

キズナ「いやまさか……でも何気にポ〇モンの技とか使えたりしたからもしかしたら?」

鈴仙「まだまだ負けませんよ!……あ、キズナさん、夕飯どうしますか?」

キズナ「普通に家帰って自分で作って食べるが?」

純狐「せっかくだからうちで食べていきなさいな」

キズナ「え?でも……」

鈴仙「賛成賛成!」

へカーティア「いいわね!純狐、今日はキノコグラタンが食べたいわね。作ってくれるかしらん?」

鈴仙「暴虐の魔王の大好物!食べたい!」

キズナ「だからなんでもうそういうネタ履修してるんだよ!昨日の今日で!」

鈴仙「夜どうし読みました!その証拠に目が真っ赤です!」

キズナ「元々だろうが!」

純狐「はいはい、キノコグラタンね」

キズナ「あ、手伝いますよ。食べさせてもらうだけなのも悪いですし」

純狐「ふふ、ありがとうね。こっちよ」


その後、俺は純狐さんと一緒にキノコグラタンを作り、皆に振舞った。純狐さんの料理の腕は完璧だった。今度ちゃんと教えてもらおう……

夕飯も食べ終わり、俺は自分の家に帰った。今日はこれで終わりだと思っていたのだが……


キズナ「あの……なんでいるんですか?」

へカーティア「家が隣なんでしょ?なら……こうしてっと……」

キズナ「?????」

へカーティア「はい、これでいつでも私たちの家に行けるようになったわ。逆も然りね」

キズナ「な、な……」

鈴仙「おー!ちゃんと繋がったんですね!」

へカーティア「キズナ、これからもよろしくね」

キズナ「何してくれてんだぁ!!!」


こうして、俺は新たに能力を獲得し、それと同時に1人だけの空間を失った。


--


元ネタ


・至急オペレーション〇〇を発動しろ。エル・プサイ・コングルゥ

Steins Gateより。アニメは家族でハマりました。


・強欲の魔女

Re:ゼロから始める異世界生活より、強欲の魔女エキドナ。推しです。


・暴虐の魔王

魔王学院の不適合者より、アノス・ヴォルディゴード。キノコグラタンが大好物な魔王様。

お待たせしました2話目です。保護者は純狐さんとへカーティアさんでした!……そうです作者は安直嫌いな逆張り野郎なんです。次回は少し彼らの日常を書いてみようと思います。いつなるかは未定ですが、お楽しみに〜

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