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月からうさぎがやってきた!!!

キズナ「ふむ、なるほどなるほど」

友人「おーいキズナ。今日はなんだ?古事記か?」

キズナ「おん、やっぱ日本神話は面白いわ。多神教神話はいいな。神様が人間らしいところとかとくに」


俺はキズナ、高校2年生だ。割と長髪だが男だ。今、古事記の本を読んでいたところだ。これはなかなかどうして、面白くハマってしまった。


友人「それは置いといて、あれ見たか?昨日のアニメ」

キズナ「ああ見た見た。声優さんが豪華なんだよな!キャラデザも最高なのがまた良きってやつでなぁ」

友人「よし、帰りあそこ寄って帰るか?」

キズナ「のった!メイトに行くか?」

友人「決まり、そうしよう」


今の会話の通り、俺はアニオタでもある。特になろう系は好きだ。王道かもしれないが、ありふれたに転スラ、リゼロ、魔王学院、この辺は大好物でWeb小説をほぼ毎日周回している。それに最近は親の影響もあり、ガンダムSEED等の作品も見ている。簡単に俺をまとめれば、アニメと神話に心を奪われたごく一般の高校生、そんなところだ。


そろそろ授業の始まる時間になり友達は自分の教室へと戻っていった。ちなみにここの学生は皆、何かしらのオタクだ。ゲームであったりアニメであったり、化学であったりと様々だ。実際、教室の後ろの黒板一面に構造式が書かれている(実話)。俺はどちらかと言えば文系だから、正直頭が痛くなる……


95分という長い授業を終え、早速友達と某アニメショップに行き、ラノベとラバスト、あとは近くの古本屋で中古の漫画を買った。


キズナ「うんうん。いい買い物をした。早く帰って読まないと」

友人「しかし、もう日も暮れてるじゃねぇか」

キズナ「ありゃ、ほんとだ」

友人「じゃあ、俺はこっちだから」

キズナ「おう、じゃあな」


友達と別れ、帰路を辿っていた。道もだいぶ暗く、人通りも少ない。まあ、交通の便はいいとはいえ、ここも田舎だからな……交通費220円ケチって歩いてるだけだが……

人通りが少なく、静かであったから、誰にも聞かれないと好きな曲を口ずさんでいると……


キズナ「レフトサイドライトサイド、歯〜を剥き出し……ん?なんだ?」


何か気配を感じる。俺は何故か気配を感じ取ることが得意だ。周囲に誰がいるかなどはわかる。ゆえに、普段なら人気のない場所に誰かいればすぐに気づける。息を潜めて耳をすませば、何か声が聞こえてきた。が、その内容に耳を疑った。


???「……こちらα、地上に到着した。人目は無い。行動に移す」

???「しかし、こんな穢れたところにいるのか?信じ難い」

???「上がそう言うならそうなんだろう。一人逃げたからと大袈裟な……」


地上?穢れた?まるでこことは別のところから来たようなセリフだな。アニメとか古典で言うところの……天人?とかそんな感じの言い回しだな……いやこういう時くらいアニメ脳なの捨てねぇとな……とにかくそれは置いといて、一体どんな奴だ?気配からして2人だろうが……


???「そこに何かいる、地上の奴か?」

???「だろうな……聞かれたか?」


っ!まずい……バレた……チッ、逆に気が付かれない方がおかしいか……天人とかなら超能力とかありそうだし、そもそも俺は歌ってたもんな……バレて当然……ってそんなこと考えてる場合じゃねぇな。ここは逃げる一手……


???「そこか!動くな!」


はーい終わった。さてどうするか……うわぁ、なんか銃持ってるし、これはアウトか?


キズナ「えと、見逃してくれたりとかは?」

???「疑わしきは罰せよとの話だったよな?」

???「そうだったな」


オワタ。こりゃここで終了か?参ったね……


キズナ「あっ!師匠!こんなところに!」

???「っ!」

キズナ「サラダバー」


ハッタリだよヴァカめ!こんなところで終わると思ったか阿呆が!こちとらまだ買った本まだ読んでねーんだよ!こんなところで終われるか!


???「くそっ!逃がすか!口封じをしなくては」

キズナ「げ、簡単には逃げれねぇか。こっちにゃ武器なんてねぇのによ……っ」

???「捕まえたぞ」

キズナ「チッ」


腕を掴まれた……こりゃ終わりか?ふっ、最悪じゃねぇかよおい……こんなよく分からんやつらに殺されるのかよ……つかなんでこいつら銃持ってんのに使わないんだよっ!?いやそれのお陰で今生きてますが!いやもう関係ないんだよっ!あー最悪だなおい……


と、思っていたその時だった。


少女「ふっ!」

???「ぐっ……な!?あいつは!」

???「あいつか!逃げたってやつは!」

???「構えろ」

少女「させるもんですか!」


紫の髪をなびかせ、女の子がやつらを蹴り飛ばした。可愛らしい少女だった。その子は指を銃の形にして構えていた。


少女「月には結局こんな外道しか居ないんだ……それに、地上人に手を出すのはご法度でしょうに……やっぱり捨てて正解でした」

???「くそっ」

少女「無駄よ……その銃、もう使えないですよ?」

???「何!?」


そう言って奴らは引き金を弄った。が、ビクとも動かないようだ。


少女「残念だったですね!さあ、お縄につきなさい」

???「一旦引くぞ」

???「あっ!?あーもう!」


そう言い残し、やつらは消えた。ふう、助かった……のか?


少女「あ、大丈夫でしたか?君?怪我とかは?」

キズナ「あぁ、大丈夫だ、助かったよ」

少女「ん?男の子?」

キズナ「子って言われる年齢じゃねぇけどな……」

少女「でもそんなに髪長いし……」

キズナ「れっきとした男だよ……改めてありがとう。助かったよ……えっと……」

少女「うーん、ここじゃあれだから家に来て。そこで話す。さっきのやつのことも」

キズナ「お、おう」


そう言われてその子ついて行くと……


キズナ「あれ?ここって」


めちゃくちゃ近所だった。それどころか、隣だ。


キズナ「最近誰か入ったと思ったら君だったのか」

少女「あれ?ここ君の家でしたか?ちょうど良かったですね!ささ、入って入って」

キズナ「お邪魔します」

少女「そこに座ってて。お茶とか用意しますから」


中はとても綺麗だった。ソファに座らせて貰い、その子が来るのを待った。


少女「お待たせ」

キズナ「あ、どうも……んん!?」

少女「ん?なんかありました?」

キズナ「いや、耳……」

少女「ああこれ?」


その子の頭にはうさぎの耳があった。さっき見た時はなかったような……気のせいか?


少女「ふふん、どう?可愛い?」

キズナ「いや、可愛いかもだけど、そういう問題じゃねぇよ……」

少女「あっ、さっきまでは認識阻害のアーティファクトをつけてたので今は見えるようになってるだけですので」

キズナ「おうにわかには信じがたいんだが……というかまず色々説明が欲しい……」

鈴仙「あっ、そうでしたね〜。じゃあまず、自己紹介から。私は鈴仙・優曇華院・イナバ。月のうさぎです」

キズナ「月の……うさぎ?」

鈴仙「そう、月のうさぎ」


そんなのが実際に存在するのか……


鈴仙「あ!疑ってるでしょ!?本当だからね!!!ほら」

キズナ「!?!?!?」


突然鈴仙は俺の手をとり、自らの耳へ持っていった。


鈴仙「ほら!ちゃんと耳だから!確認!」

キズナ「え?あ、はい」


言われるがまま俺は恐る恐る触った。この感触、作り物では……ないな。うん


鈴仙「はぁ……んっ……これでわかった?」

キズナ「あ、あぁ、すまん、わかったわかった」


やべ、つい……初対面でなんてことしてるんだ俺は……ん?いやこれ俺悪くないよな?……悪くないよね?


キズナ「えっと、あ、そうだ。俺はキズナ。助けてくれてありがとう」

鈴仙「キズナさんですね。よろしくお願いします。えーっとまずは……何を話せばいいのかな?」

キズナ「じゃあまずはさっきの奴らのことからで」

鈴仙「ああ、アイツらね。アイツらは月の民とかいうやつ。実は私、月から逃げてきたんですよ」

キズナ「ふむ……月から来た……まるで神話かアニメか何かか?」

鈴仙「ちゃんと本当にいますもん!」


プクッと頬を膨らませる鈴仙。なんだこの子可愛すぎるだろ……


キズナ「そうだよな。実際うさ耳生えてるやつが目の前にいるし、信じない訳にもいかないよな」

鈴仙「おお、意外と直ぐに信じるんですね。じゃあ続けますよ。アイツらは月の人間のくせに何故か地上を調べているんですよ。しかも私たち玉兎、月のうさぎに命じて、地上に降りて調べろなんて言うんですよ!しかも目的も教えずに!給料も安いし!そりゃあ嫌になって逃げるでしょう?」

キズナ「と、とりあえず分かった……最後の方は私情が入ってたけど」

鈴仙「で、私は命令される前に地上に逃げてきたんですよ。あっちにいても不自由極まりないですからね。私は自由になりたかったので」

キズナ「そうか。それでこっちに」

鈴仙「ちょうど地上には月の奴らにに対抗する人達もいるからその人たちに協力をしてもらって今ここに来たって感じです」

キズナ「それで今この家にいると。その協力してくれている人って?」

鈴仙「今はいないですね。今度紹介しますね」

キズナ「おう」


そこまで聞いて、俺は気が抜けてしまった。正直よくここまで持ったと思う。帰りによく分からん奴らに襲われて、可愛らしい少女に助けられたと思ったらその子にはうさ耳があって、しかも月から来たと……そして、地上にいる人と月の人が対抗していると……よくここまで頭のキャパ持ったな……


キズナ「すまん、そろそろ帰らせてもらうよ……ありがとうな。今度お礼をするよ」

鈴仙「あ、いえいえ。大丈夫ですか?」

キズナ「大丈夫大丈夫……家に帰れば直ぐに回復するさ」


精神的にな。ちょうどさっき買った本とかもある。気分は直ぐに回復できるだろう。


鈴仙「直ぐに回復……なら良かったです」

キズナ「じゃあな。ありがと」


それだけ言って自分の家に帰った。部屋に戻ってベットに横になり漫画を開いた。この部屋は俺の趣味で溢れている。ここは癒しの空間だ。それにしても……正直あんなことあって速攻で漫画開ける俺の精神やべぇな。


キズナ「ふぅ……なんか疲れた……」

鈴仙「いやぁ、すごい部屋ですねぇ。面白そうな本がいっぱいです」

キズナ「!?」

鈴仙「あ、どうもです」

キズナ「……」ジトー

鈴仙「……」ニコッ


ピポパ……


鈴仙「待って待って何しようとしてるんですか!?」

キズナ「不法侵入で警察に電話しようとしただけだ。命の恩人だが……仕方がない」

鈴仙「待ってくださいごめんなさい直ぐに回復できるって聞いて気になっただけです!だから体力とかをテンテンテテテン♪で回復できる装置的なものがあるのかと気になりまして!」

キズナ「どこのゲームの世界の話だよ!?ありゃ精神的にってことだ!」

鈴仙「なぁんだそっちですか」


そんなことを言いながら俺の本棚の本を取り出す鈴仙。


キズナ「いや何ナチュラルに本取ってんの?」

鈴仙「いや、面白そうなものがあるなーって」

キズナ「……まあ、いいや。この家俺しかいないし」

鈴仙「ありゃ?そうなのですか?親とかは?」

キズナ「立ち絵用意するのg…ゴホッ、今は仕事でしばらく帰ってないだけだよ」

鈴仙「今すごくメタいこと言おうとしましたね?」

キズナ「気にするな」

鈴仙「分かりました〜。ふむふむ……このヒロイン可愛いですね〜。銀髪のハーフエルフに双子のメイド……こっちはスライムが主人公なんだ。そしてそして…くらえ!<獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)>!!!か、かっこいい!!!」

キズナ「はぁ……もうそれ貸してやるよ」

鈴仙「え!?いいんですか!?」

キズナ「いや別にいいぞ。なんなら他にも教えてやるよ」

鈴仙「ありがとうございます!!!」


ガバッ!っと音が聞こえるくらいの速度で鈴仙は頭を下げた。そこまでのことか?そして、鈴仙はいくつか本をとってそれを抱えた。


鈴仙「これからよろしくお願いしますね!」

キズナ「おう。お隣同士だしな」

鈴仙「ふふっ」

キズナ「?」


鈴仙は俺が貸した本を抱えて帰っていった。よろしくと言っていたが、まあ、家も隣同士だし、関わることも多くなるのか?まあ、いっか。




翌日、登校すると教室は普段以上にざわついていた。


キズナ「どうしたんだ?こんなにざわついて」

友人「あ、キズナか。実は転校生が来るらしいんだ」

キズナ「へぇ〜。そうか。とりあえず話が合うやつならいいな」

友人「そうだな。でもどうかな?お前の話の合うやつってアニメか神話好きだろ?」

キズナ「ならたくさんいるだろ」

友人「アニメはともかく、神話はいねぇよ」


そんな会話をしていると先生が入ってきた。


先生「はいみなさん着席。みんな知っているようだけど、転校生が来たので紹介します。はいっておいで」


ザワつく教室をよそに勢いよく扉が開いた。そして、転校生を見たその瞬間、全然の声が止んだ。


鈴仙「月の衣を身にまとい、ふわりと来たるは地上の世界。我が師キズナの教えを受けし、我が名は鈴仙・優曇華院・イナバ。私、参上!!!」


そんな口上を聞いて思わず手に持っていたラノベを投げてしまった。そして色々ツッコミたいことはあるがこれだけ言わせてくれ!!!


キズナ「昨日の今日で何故そうなったぁああああああ!!!俺の幻想返せやこらァァァ!!!」

鈴仙「ってゐ!!!」


ラノベは鈴仙の額に直撃し、鈴仙は謎の声を上げてうずくまった。と思えば、上に跳ねたラノベをキャッチし、にこやかに微笑んだ。


鈴仙「と、言うわけで鈴仙・優曇華院・イナバです!この長い耳と赤い目が目印です!よろしくお願いします!」


こうして、鈴仙がクラスメイトに加わった。

はい、ゆっくり茶番劇に投稿したいシリーズ、今回はゆっくり茶番劇にありがち、現実世界の学校に東方キャラが出てくる、なんかそんな感じのストーリーです。鈴仙と関係があるキャラが主に登場します()

原作とは大きく離れてますので……まあゆっくり茶番劇だとよくあることなので受け入れてくれると嬉しいです!それでは次回をご期待ください。(投稿頻度には期待しないでください……)

PS.聖魔幻想録という作品も投稿中です!満足する文が書ければ投稿しますので気長にお待ちください笑

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