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ブレーン×ワールド  作者: ミルシティ
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エピローグ 『そして日常へ』

 アーミーとの激戦から一夜明けた翌日早朝。

 圭介は真白と共にルーティンワークである餌撒きをする為、鳩神社を訪れていた。


「真白、ちょっと撒きすぎだろコレ……」


 大量の餌を境内にバラ撒く真白に呆れる圭介。この餌はトウモロコシの粒が主原料で作られている為、境内は一面黄色と化していた。


「鳩さん達もおなかいっぱいになりたいよね~♪」


 朝焼けと相俟った美しい白い肌に清涼感溢れる笑顔。そんな真白の姿が、圭介の目に眩く映し出される。


「ハハ、そうだな。しかし夕べの料理は旨かったなぁ。俺も久々に食べ過ぎたよ」

「うん! 真白もおなかいっぱいになったよ!」

「……まぁ、メイン料理だけでも二十皿は食ってたからな。(食材の代金も半端無かったけど……)」

「おはよー。圭ちゃん、真白ちゃん」

「おぉ、木葉。おはよ」

「おはようこのは♪」

「今から朝連か?」

「うん、夏の総体が近いからねぇ。気合い入れて頑張らなきゃだよ!てゆーか、今日の鳩ちゃん達のご飯、出血大サービスだねぇ」


 ポニーテールをリボンで作りながら、境内の見渡す木葉。その横顔を見つめながら、圭介は少し口元に笑みを浮かべた。


「なぁ、木葉」

「んん? なぁに圭ちゃん?」

「またさ、コンクールに応募しようと思ってるんだ」

「おおー! それでこそ圭ちゃんだよ! 人生は七転び八起きだからね!」

「ハハハ……。木葉のポジティブ精神見習って、次こそ起き上がれる様に頑張るよ」

「うんうん。それでこそ圭ちゃんだよ!私も圭ちゃんに負けないように練習頑張るね。じゃあ先に学校行ってるね!」

「あぁ、頑張れよ。また後でな」


 木葉は嬉しそうな笑顔を圭介に見せ、手を振った後、駆け足で階段を駆け下りていった。


「いや~。圭やんが変わると周りも変化するもんだなぁ~。青春、青春」

「……は?」

「じぇっとおはよー」

「おー、真白ちゃんおはよう。今日もカワイイね」

「ジェット!?」

「昨日は大活躍だったなぁ。咲夜さんからもらった圧縮情報見たよ」

「あ、あぁ……。つか、どうしたんだよこんな時間に……あれ?」

 突然現れたジェットに驚く圭介は、妙な違和感を覚えた。「海星学園の制服ってそんなシャツとスラックスだったっけ? て…………それ!ウチの制服じゃないか!?」

「あぁ、そうだよ。似合うだろ」

 モデルの様なポーズをつけ、髪を掻き上げるジェット。

「うん似合……じゃなくて!」

「今日から紋楼学園に転入するんだ。よろしくな圭やん!」

「こちらこそよろ……って! だから、どういう事かちゃんと説明してくれよ!」

「咲夜さんに頼んだのさ。アーミー達が不穏な動きをしている今、一人でも協力者が近くに居た方が何かと心強いだろ?」

「ジェット……。でもいいのかよ、お前海星の主席なんだろ?」

「あー、海星に対して特別な思いがある訳じゃないし、リケメンやリケ女ばっかりでつまんねーしさ。紋楼なら真白ちゃん達みたいなカワイイ子いっぱいいるだろ?」

「おいおい……ミーハーな気持ちの方が強くないか?」

「まぁまぁ、これからまた圭やんと同じ学校に通えるんだ。楽しくいこーぜ!」


 親友ジェットから紋楼学園へ転校すると告げられた圭介は、嬉しい反面、同時に戸惑いも生じた。


「でもさ、ジェットが元カラーズ人だったとしても、身体は地球人と変わらないんだろ?危険な目に遭って命を脅かす事になったら……」

「それは圭やんだって同じだろ?」

「……え?」

「いくらアルケミスアートを使用出来ても、真白ちゃんを上手く操作出来ても、圭やんの身体が地球人である事には変わりないし、今後アーミー達と戦っていく上で、俺よりもリスクと遭遇する可能性は高い。にもかかわらず、圭やんは俺の同郷達の為に身体を張って協力してくれてるんだ。親友として圭やんだけに重荷を背負わせる事はできねーよ」

「ジェット……。でも、お前には『約束』が……」

「んー……この先、もしも俺が命を失う事態に遭遇したとしても『コイツ』は絶対怒らねーよ。てゆーか、何もしなかったら逆に怒られるぐらいだよ。コイツはさ、そーゆー奴なんだよ。だから、細かい事は気にすんなよ!」


 ジェットが見せたその清々しい笑顔は、圭介の胸を熱くさせた。


「その通りだ圭介」


 振り返る圭介。そこには咲夜、姫、花蓮の姿があった。


「お前のおかげで我々はアーミー達と戦える」

「咲夜……」

「そうだよ!だからボク等はけーくんを全力で守るよ」

「姫……」

「圭介様は従者ではございません。私達の大切な仲間ですもの」

「花蓮……」

「うん! けーすけだぁいすきぃー♪」


 ムギュ


「おわっ! ま、真白! 朝っぱらからそんな……」



 フェルミパラドックス――


 その昔、物理学者のエンリコ・フェルミ が打ち出した逆説。


『宇宙人が存在しているんだって? じゃあ聞くが、彼等はこの宇宙のどこにいるんだい?』


 確かにフェルミさんの逆説通り『この』宇宙に宇宙人は居ないかもしれない。


 でもねフェルミさん、宇宙人は存在しますよ。


 え?


 どこにって?


 それは――


 『別』の宇宙にね。



 ブレーン×ワールド END


ブレーン×ワールドは今回で完結です。

最後までお読みいただいた方々、ありがとうございました。

評価、ご感想などいだだけるとうれしいです。





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