第四章 ――狂戦士(バーサーカー)舞う―― ㉑
「アーミーとしての存在意義を貫くか……。では私も貴様の覚悟に応えよう」
二機のジェノサイドから放たれるプラズマレーザーは、未だ無防備の咲夜に向けて一直線に光の軌跡を伸ばす。すると咲夜の両脇付近からプラズマレーザーが撃ち出され、ジェノサイドの攻撃を相殺――
そして間髪入れずに二筋のプラズマレーザーが撃ち出され、ジェノサイドの銃口を貫いた。
「くっ……」
爆発音と共に木っ端微塵になったジェノサイドの破片を両腕で防ぐ桐谷。その直後、桐谷の両脚を激痛が急襲する。
「ぐあぁ!」
両太腿から噴出する赤いC粒子―― 一瞬の間も無く放たれるプラズマレーザーは桐谷の両太腿を貫いた。そして――
ポッド数十機の一斉掃射に匹敵する夥しい数のプラズマレーザー。それはあらゆる角度から撃ち出され、桐谷の頬、腕、足等、あらゆる部位を切り裂いていく。
「ぐおぉあああ――――!」
凄絶な阿鼻叫喚が響き渡り、桐谷は全身から赤いC粒子を噴出させてその場へ前のめりに力無く倒れた。
「……う……うぅ……」
直撃こそしなかったものの、ロストギリギリの大ダメージを受けた桐谷。そこへ咲夜が歩み寄ってきた。
「チェックメイト……だな」
「…………あ……貴女ならば、私を蜂の巣にする事など躊躇ないはず……。何故……私を核化させないのですか……」
「先程選択肢を与えた時、もしも貴様が『降伏』を選んでいたのならば、その場で核化させていた。しかし貴様はアーミーとして戦う事を選んだ……。その『誇り』に対して敬意を称したのさ」
「敬意……」
「さて、あちらの戦いもそろそろクライマックスを迎える様だ。奴は生粋のアーミー……隊長の心意気を見届けるんだな」
そう桐谷に告げた咲夜は、圭介達の盾となっていたレイ・フォースを分離させ、自分の元へ戻した。
「圭介、もう邪魔は入らない。思う存分戦うがいい」
桐谷の奇襲攻撃により停止していた真白と真田のワンメイクバトル。咲夜の勝利を確認した真白はレーヴァテインを沢村に向けて構えた。
「マスター、命令を」
「あ、あぁ……」
真白に促された圭介は、視覚モニターで沢村の状態を確認する。
粒子の噴出が止まってる……。
先程与えたダメージが多少回復した様子の沢村は、地面に片膝をつけた状態から体勢を整える。そして二本のデストロイドを構え、戦う姿勢を見せた。
「すまない。部下の非礼を許してくれ」
「謝る事なんてないさ。ここは戦場……気を抜いた俺が悪いんだ」
「……勇敢なる地球の戦士よ……いざ決着を!」
決着の刻来たる―― 対峙する沢村と真白、そして圭介。場の空気はピンと張り詰め、たった一回の瞬きすら命取りになりかねない緊迫感が漂う。
さっき桐谷の攻撃を回避した時、あのサイキッカーのポッドよりも速く、白の狂戦士は主人の護りに戻った……。なんという機動力だ。
全神経を研ぎ澄まし、真白の動向を伺う沢村。一方、圭介は戦術プランを真白に伝え、精悍な顔つきで沢村を見据える。
――真白。
――はい。
――多分……いや、きっとこれが『最後』の攻撃になるはずだ。アイツをぶっ倒して、早く家に帰ろうな。
――了解ですマスター。
対峙して数十秒。
「うおぉぉ!」
沈黙を破ったのは沢村の気合いに満ちた叫び声。その声と共に二本のデストロイドから真空の刃が放たれる。しかしその直後、沢村の目に信じられない光景が飛び込んできた。
「何っ!?」
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