第四章 ――狂戦士(バーサーカー)舞う―― ⑯
「はぁああっ!」
気合いと共に巨大な剣、デストロイドを振りかざし、真白目掛けて斬りつける沢村。真白は背中の翼をひるがえし、その斬撃をヒラリとかわす――
ワンメイクが開始されてから続く矢継ぎ早な沢村の猛攻。しかし、その全ての攻撃を華麗なる舞いの如くかわす真白を見て、沢村は心酔していた。
「なんと美しい動きだ……。白の狂戦士よ、ここで貴様に会えた事を我は感謝するぞ!」
猛る沢村。一方、思考遠隔操作システム『リンクス』で真白を自在に動かす圭介は、沢村の大声すら耳に届かない程集中していた。
――真白、そろそろ仕掛けるぞ。
――了解ですマスター。
コイツの攻撃は一見大振りだけど、正確に致命傷を負う部分を狙ってきてる……。でも、その正確な攻撃こそアイツの『弱点』だ!
真白の機動力を最大限に生かしながら、沢村の攻撃を分析する圭介。
「うおおお!」
縦横無尽な斬撃の嵐を驚異的なスピードと瞬発力で切り抜ける真白。幾度も幾度も空を斬るデストロイド。それでも沢村の攻撃は一向に止む気配は無い。
「まだまだぁ!」
すぐに体勢を整えて攻撃体勢に入る沢村は、真白の左脇腹を狙って横一文字に斬りつける。
すると、その斬撃を背面飛びの様に身体を捻りながら紙一重でかわす真白。
そして――
「ぐわっ!」
痛々しい声と共に沢村の左肩から吹き出る炎と赤い粒子。戦闘開始から防戦一方だった真白が、回避と同時に逆袈裟斬りをヒットさせた。
「よし!」
力強く拳を握りしめる圭介。この戦法はキングオブファイターズで使用する圭介の得意戦法、ヒットアンドアウェイだった――
夢に破れ続け、自分の無能を嘆いていた日々。そんなある日、気を紛らわせる為に始めたスマホのアプリ、キングオブファイターズ。無駄な時間だと理解していながらも、連勝を重ねていく内に圭介の中に想いが芽生えていた――
『誰にも負けたくない』
コンプレックスだらけの自分が、勝ち続ける事によって認められる唯一の居場所。しかし、無敗の王者として君臨し続ける事は並大抵ではない。敗北を喫した時点で無敗の王者という地位を失うプレッシャーを常に感じながらプレイする事は、暇つぶしで遊ぶという域を越えており、もはや真剣勝負を挑む棋士の如く全神経を研ぎ澄まし、技術と頭脳を用いて勝ち続けてきた。そして今、キングオブファイターズで得た比類無き戦闘センスを、余す所なく発揮している圭介の活躍で沢村から先手を取ったワンメイクバトル。しかし、傷を負った沢村は口元に笑みを浮かべていた。
「やるかやられるか……一瞬の隙が命取りになるせめぎ合い……これだ……我が欲していたのはこの感覚だ。正直な所、我は政治事に興味は無い。しかしナインが起こしたこのクーデターは、我が抑制してきた力を解放する場……純粋な戦いを思う存分堪能する場なのだ。そして我が望んでいた強者に出会う事が出来た。礼を言うぞ白の狂戦士と従者……いや、勇敢なる地球の戦士よ!」
傷を負ったにもかかわらず、沢村は瞳を輝かせながらデストロイドを構え、再び戦闘体勢へと入った。
戦意を失うどころか、逆に闘志が漲ってる……。でも、ダメージは残ってるはずだ。ここは一気にたたみかけてみるか……。
体勢を整えたばかりの沢村に向かって真白をダッシュで切り込ませた圭介。真白は沢村の左側へと回り込み、左足太腿付近をレーヴァテインで狙う。しかしその瞬間、沢村が妙な『動き』を見せた。
「――!?」
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