第四章 ――狂戦士(バーサーカー)舞う―― ⑮
剣使い同士の戦いが始まった一方、咲夜は桐谷を見据えながら、四機のレイ・フォースを操作し、頭上へ四角形に配置させた。
「なるほど……。お見受けした所、貴女のポッドは防御主体型の様ですね。私のポッド、ジェノサイドは見ての通り攻撃主体型。盾と鉾……。どちらのポッドが勝るか、楽しみです」
桐谷は6つのポッド、ジェノサイドを操作し、頭上へV字型に配置させた。「所で、この間一緒にいたエイトのサイキッカーが見あたりませんが、我々に怖じ気づいたのですか?」
「アイツは元カラーズ人だ。現在は地球人と核融合化して、他ブレーン特別保安官として暮らしている。我々とは関係無い」
「なんと、特保とはそういう意味だったのですか。いやはや、中々の策士ぶり……。してやられましたね。さて、お喋りはこの辺りにして私達も始めましょうか」
V字型に配置された6機のジェノサイドから赤いレーザー光線が放たれ、六本の光の軌跡が咲夜目掛けて伸びてゆく。
「フン……」
眉一つ動かさず、鼻で笑う咲夜。その瞬間、レイ・フォースから青白いレーザー光線が射出され、ジェノサイドの攻撃を阻止した。
「これはこれは……出力を50パーセントに抑えているとはいえ、全て防ぐとは大したモノですね」
「フッ……貴様の方こそ扱いがシビアな軍事用ポッドを6機も自在に同時操作出来るとは、アーミーの中でもかなり高レベルのサイキッカーだな」
「お誉めの言葉ありがたく頂戴致しますよ。このジェノサイドは軍事用高出力プラズマ生成ポッドを更に改良したシロモノでしてね。並のサイキッカーでは一機動かす事もままならないのですよ」
「なるほど、そこまでのカスタムを施したポッドならば、楽しいワンメイクになりそうだ」
――区画惑星カラーズ第9区『通称ナイン』。他ブレーンからの知的生命体の侵略行為に対して国家を守る軍事惑星。その要となるアーミーの桐谷は、咲夜に対して疑問を感じていた。
『カラーズにおいて明らかに格下である保安官が、自分達アーミーを目の前にして何故こんなにも自信に満ち溢れているのだろうか?』
弱肉強食が当たり前のカラーズ人にとって、桐谷がこう考えるのはごくごく自然の事。例えるならば、百獣の王であるライオンが他の動物達を補食対象としか見ていない事と同じなのだ。しかし、その格下である保安官がアーミー藍沢京香をロストさせたのは紛れもない事実――
だが、桐谷はロストの理由を藍沢京香が招いた『油断』と判断し、真白と圭介の実力だとは微塵も思ってはいない。故に『天を除外した区画惑星において最強はナイン』という自負に揺るぎはない。
にもかかわらず何故か渦巻く疑問――
桐谷はその胸中を悟られぬ様、ポーカーフェイスで覆い隠し、慎重に慎重を期してジェノサイドを操作する。
藍沢さんの二の舞にはなりたくはありませんからね……。
頭上で配置を変えるジェノサイドとレイ・フォース。その光景は、さながらチェスの真剣勝負を彷彿させる。そして、桐谷の頭上で左右に三機づつ配置されたジェノサイドの銃口が咲夜をロックオンする。
「本来、このジェノサイドは一個小隊を殲滅する目的で開発された大量破壊兵器。50パーセント以上の出力をワンメイクで使用するのは初めてですので、ここからは手加減は出来ません。どうか覚悟をなさってください」
桐谷がそう告げた後、6機のジェノサイドから赤いレーザー光線が咲夜に向けて一斉に射出された。
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