第四章 ――狂戦士(バーサーカー)舞う―― ⑥
それはポッドのレーザー光線と衝突し、鼓膜をかきむしる様な衝突音と、眩いばかりの閃光を放った。
「うわっ!」
圭介は思わず身体をすくめる――その数秒後、恐る恐る上空を見上げると、空中でぶつかり合ったレーザー光線は消滅していた。
衝撃的な出来事に呆然と立ち尽くす圭介だったが、すぐに我に返り、異形の剣の行方を目を凝らして探し始めた。
「……何が起きた? 剣……俺の剣は!?」
空中からアスファルトに目を落としたその時、目に飛び込んできた人物に思わず息を飲んだ。
「ま、真白!? いつの間に……」
アスファルトに佇む真白の右手には、異形の剣が握りしめられていた。
「すごい……コレ、真白のレーヴァテインだ……」
真白は愛でる様な感嘆深い眼差しで、レーヴァテインと呼んだ異形の剣を見つめる。「けーすけが真白の為に創ってくれたんだね……」
「あ、あぁ……」
「嬉しい……嬉しいよけーすけ。本当にありがとう」
「ご苦労だったな、圭介」
聞き慣れた上から目線口調が圭介の耳に届いた。アナザーポイントの出口に視線を移すと、そこには咲夜、花蓮、姫の姿があった。
「圭介様、お怪我はないですか?」
「花蓮……」
「しかしけーくんは大胆不敵だねぇ。単身でアーミーと対峙する奴なんて、カラーズにもいないよ」
「姫……」
「危険を省みず、よくやってくれた圭介。しかし、お前の宝物を地面に投げ捨てる事は感心しないぞ」
咲夜はスケッチブックを拾い上げ、圭介に手渡した。
「咲夜ごめん、おびき寄せるまでが俺の仕事だったのに、勝手な行動しちゃって……」
「いや、嬉しかったよ」
「え?」
「お前の行動は意識信号を通じて伝わった。真白を想い、奴らに立ち向かっていったその心意気に我々は敬意を表する」
「咲夜……」
「さて、状況から判断すると、奴らはあの剣を一度手にし、その後手放したのだな?」
「あぁ……」
「そうか。ならばこれで実証も済んだ」
咲夜はアーミー達に話を切り出した。「私はカラーズセブン保安部隊の隊長、地球名は柊咲夜だ。そちらの隊長はどなたかな?」
「お初にお目にかかる。我はナインのアーミー東京地区担当部隊隊長、地球名は真田礼二だ」
「アーミーの現状はある程度把握している。しかしながら、ここは他ブレーン……しかも第一級保護惑星に指定されている地球。そんな場所で多数のカラーズ人を核化させ、地球人をも襲撃した貴様等はナイトメアニードル同様の害敵に分類される。よって我々カラーズセブン保安部隊は、貴様等アーミーを拘束、若しくは駆除出来る権限を発動する」
「フフ……ハハハハ! これは面白い。戦闘のエキスパートである我らアーミーを前にして、そんな台詞を吐けるとは相当な自信だな」
「ホントホント超笑える! つーかさぁ、まさかとは思うけどぉ、そのゴミ使ってアタシらとヤルっての?」
煽り口調の京香に対して咲夜の表情は冷静なまま変わらない。それを見た桐谷は、軽く頷いて静かに口を開いた。
「……なるほど、ようやく理解しました。先日、兵器の装備を促しても頑なに拒否していたのは、装備したくても出来なかったという訳ですか」
「は? どーゆー事よ、桐谷ぁ」
「つまり、この保安官達は兵器を所有していないという事です」
「何それ!? コイツら兵器も無いのにアタシらにケンカ売ってるって訳ぇ!?」
二人のやりとりを見た咲夜は、人差し指でメガネをクイッと上げた後、意味深な笑みを口元に浮かべ、
「兵器ならあるさ。圭介、私達のも完成しているな?」
「あ、あぁ……」
圭介はスケッチブックを開き左手を翳す。そして、3つの具現化した絵を引き出した。
「すごーい! ボクのボニー&クライドだ!」
「これは正真正銘私のホーリーアロー……。素晴らしいですわ」
「流石だ圭介。正直ここまでの精度でレイ・フォースを具現化出来るとは思ってもみなかった。お前の努力に敬意を表するよ」
姫には武骨ながらも、艶めかしい流線型のフォルムを持つガンメタリックの二丁拳銃、花蓮には金と銀のコントラストが神々しい輝きを放つ大型の弓、そして咲夜にはクロスの彫刻を施した、逆五角形の盾型ポッド四機が渡された。
桐谷は呆気にとられ顔を引きつらせた。
「まさか……とは思いますが、そのイミテーションで戦うおつもりですか?」
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