第四章 ――狂戦士(バーサーカー)舞う―― ②
放課後――
圭介は眠たい目をこすりながら一人で下校していた。
「さてと、どーするかなぁ。とりあえずコンビニでも寄って、真白にグミでも買ってってやるかな」
コンビニでグミを購入して、足早に家路へと向けて歩を進める。
「買いすぎたかな、ハハハ……しかし蒸すなぁ。このジメジメした暑さはホント苦手だ……ん?」
行く先に女子高生が一人、犬の様に四つん這いで何やらブツブツ言いながら地面を見つめている。
……何やってんだこの子……。
「はぁ~ん……どこに落としちゃったのかなぁ……」
見た目は頭髪を盛ったギャル系の女子高生だ。出来れば関わり合いたくない圭介だったが、道を塞いでいるせいでスルーしようがない。
「あの、何か探し物ですか?」
女子高生に近づいた圭介はあることに気付いた。
ウチの制服だ。先輩みたいだけど……。
「え!? 一緒に探してくれるの? ありがとー!」
「いや、俺はまだ何も言って……」
「買ったばかりのカラコン落としちゃってさー。キミはそっちの方お願いね!」
半ば強引に捜索活動へ参加する事になった圭介は、警察の鑑識並みの仕事を余儀なくされた。
「あった~?」
「いや……無いです……」
まいったな……。こんなの見つからないぞ……。ハァ、不運だ……つおっ!
顔を上げた圭介の目の前に出現したモノ――それは『美尻』と言う表現が似合う女子高生のお尻だった。
こ、これは……不運と言うよりもむしろ幸運……。
パッションピンクの下着からはみ出る艶やかで弾力感に満ちた美尻をプルルンと振りながら、女子高生はカラコンの捜索を続けている。
ナイスアングル! ナイスビューポイント! しかし、何て短いスカート履いてんだよ。隠す気なんてサラサラないよな……。
アスファルトに貼り付けていた視線を、女子高生の美尻に移行した圭介は、ねっとりと絡みついてくる目の前の絶景に釘づけになった。出来る事ならずっと見続けていたい……だが、そんな思春期真っ盛りな男子の気持ちを抑えつけ、再びアスファルトに視線を戻した。
「ん? これですか? 青いカラコン」
圭介は偶然目の前に落ちていたカラコンを慎重に拾い上げた。
「あー! それそれ! ありがとー!」
「いえ、見つかってよかったです。じゃあ俺はこのへんで……」
「ちょと待って! 探してくれたお礼しなきゃ」
「そんな、お礼なんて別にいいですよ」
「ダメダメ! そんなに汗かいてまで探してくれたんだからぁ。とりあえず~、涼しくなれる所にいこっ!」
女子高生はいきなり圭介の手を引っ張って歩き出した。
「……え!? いや、本当に大丈夫ですよ!」
「遠慮しないで~。すぐそこだから」
圭介を連れて強引に歩を進め、五十メートル程進んだところで、女子高生は急に足を止めた。
「ほいっ! ついたよ~」
「え……?」
圭介は指差された場所を見つめる――それは通りに植え付けられた街路樹だった。
「……この木が何か?」
街路樹を見上げるが、目に映るのは薫風にゆらゆらと揺れる緑葉の隙間から見える木漏れ日だけだった。
うわ……。見た目は派手なのに、もしかして意外と電波さんなのか?
面倒な展開に発展しそうな気配を感じた圭介は、適当な言い訳を模索し始めた。
あれ……?
街路樹の幹に何やら違和感がある事に気づき近づいてみる。幹の一部分がモヤモヤとし、例え様がない色が見えた。
その瞬間、圭介の心臓が大きく波打った――
「ま……まさか……」
女子高生は意味深な笑みを浮かべると、街路樹の幹へ左手を伸ばした。
「――!?」
一瞬にして周囲は無音と化し、街並みは薄い灰色に変化した。それを確認した圭介はようやく自分の身に起きた危機を理解した。
「アナザー……ポイント……」
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