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ブレーン×ワールド  作者: ミルシティ
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第三章【第9区―ナイン―】⑳

 咲夜達は真白の容体が安定した事を確認すると、今後の対策を練る為、ジェットと共にリビングへ移動した。一方、圭介はそのまま花蓮の部屋に残り、真白の側に付き添う事にした。


「よく眠ってるな……」


 少しホッとした圭介は、ベットの側に置かれている1人掛けのソファへ身体を沈め、制服のポケットからスマートフォンを取り出した。


「息抜きがてら、久しぶりにアプリでもやるか……」


 画面をフリックし、オンラインアプリ『ファイナルファイターズ』へアクセスする。

「そういえば、真白達が来てからアプリなんてプレイする暇なかったよな……。まずはコミュニティチェックかな」

 コミュニティとはファイナルファイターズのプレイヤー達が情報交換を行う場だ。アクセスを試みた圭介は、コミュニティに書き込まれている投稿文のタイトルを見て、思わず声を漏らした。


「……うわ」


『無双天女について』『無双天女死亡説』『なぜ天女は消えたのか?』


 圭介が操るキャラクター、ランキング一位の無敗王者である夢想天女がログインしてこない事に関しての書き込みで、コミュニティは炎上していた。

「ハハハ……。まさか天女のプレイヤーが『異世界宇宙人と共同生活を送ってて、アプリをやる暇がありませんでした』……なんて。そんな夢物語、誰も思いもよらないよな」

 口元に微笑を浮かべ書き込みを一通り読んだ圭介は、コミュニティから抜けてゲームにログインした。

 対戦相手を待つ間もなく、数秒で相手プレイヤーが参加してきた。


「はやっ! つか、この時間帯は確か過疎ってたはずじゃ……ん?」


 圭介は画面上部に表示されるギャラリーのチャットスペースに目を向けた。


【え!? 無双天女!? マジ!? ニセじゃないのコレ?】【天女キタキタキタ――!】【対戦予約急がないと!】【ログインID 確認しますた! 本物の天女たんですテヘペロ】【無双天女死亡説崩壊!】【うわ! 対戦予約枠既に埋まってるし……】【今日、無敗伝説が再び幕を開けるWW】【華麗なる舞を久しぶりに見せてくれー】【天女はもはや神】


 凄まじい勢いで横スクロールしてくるコメント群。自分のログインを待っていたプレイヤー達がいる――そんなささやかな喜びを感じながら、圭介はプレイを開始する。


【夢想天女】ランキング一位

【破天荒ブレイカー】ランキング5位


「おー、十位以内のプラチナファイターだ。久しぶりにやりがいある相手じゃん」


【復帰第一戦がランカー同士の神試合!】【破天荒ブレイカーは二十四連勝中だから、もしかするともしかするかもニヤリ】

 ギャラリーは好カードが組まれた事により大盛り上がりを見せる。圭介は左手にタッチペンを持ち、試合開始に備える。そして画面をフリックし、対戦相手の破天荒ブレイカーが使用するアバターの武装を確認した。


「遠隔操作系の武器……」

 圭介の口元から笑みが消えた。


【試合開始――!】【始まった――!】


 破天荒ブレイカーが装備するのは、桐谷が使用していた『ポッド』の様な宙に浮く武器だった。開始早々、破天荒ブレイカーはレーザービームを夢想天女に向けて一斉照射させる。しかし、夢想天女は白い翼を羽ばたかせながら、レーザービームを紙一重でかわしつつ、破天荒ブレイカーに向けて一直線に飛んだ。攻撃の間合いに入った瞬間『それ』は始まった――

 斬る、斬る、斬る、斬る! 縦横無尽な太刀捌きによる嵐の様な斬撃が破天荒ブレイカーを襲う。防御も反撃も許さない超連続攻撃スーパーコンボに、破天荒ブレイカーのライフポイントはみるみるうちに目減りしていく。そしてライフポイントがレッドゾーンへ達したその時、夢想天女の剣が破天荒ブレイカーの身体を貫き、勝負は決した。


【うおお――――!すげー!】【8秒……ありえねー!】【無敗神話継続!】【こんなに攻撃的な天女初めて見た】


 目の肥えたギャラリー達の大興奮の理由には、夢想天女の復帰第一戦という事も勿論あるが、目の当たりにしたファイトスタイルが普段のそれとは違う事が大きかった。圭介の基本スタイルは『蝶の様に舞い蜂の様に刺す』ヒットアンドアウェイだが、今回は接近戦のインファイトだ。それは破天荒ブレイカーが装備する遠隔操作系の武器が、桐谷の兵器のポッドを彷彿させ、圭介の感情をピークに高ぶらせたからだった。


「もしも、俺に天女みたいな力があったら……」


 スマートフォンの画面から視線を外し、ベットで眠る真白の横顔を見る圭介は、桐谷との戦闘時、手も足も出せなかった自分の無力さを嘆いた。


「俺は……俺は真白に一体何をしてあげられるんだろ……」


 再びスマートフォンの画面へ視線を戻すと、既に次の対戦相手がスタンバイしている。久しぶりに夢想天女のバトルを観戦するギャラリー達が待ちかまえる中、試合は開始された――


「ブレーンワールド」の更新ペースは、新作執筆中のため今のところ分かりません。随時チェックしていただければ幸いです。


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