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ブレーン×ワールド  作者: ミルシティ
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第三章【第9区―ナイン―】⑱

 真白を治療する間、咲夜に部屋で休むようにと言われた圭介は、治療が終わるのを自室で待っていた。一度は言われたとおりベッドに横になった圭介だったが、真白の事が心配で落ち着かないため、部屋中をウロウロとしていた。

「圭やん、入っていいか?」

 ジェットの声と共に、部屋のドアをノックする音が響いた。

「ジェット……あ、あぁ」

 部屋に入ってきたジェットはベッドに腰をおろして、

「飯、サンキューな。おかげで体力回復したよ」

「う、うん。なぁジェット……あのさ……」

「聞きたい事はわかってるよ。あ、ちなみにカラーズ人だって事、隠してた訳じゃないからな。言う必要がなかっただけだから」

「あぁ……確かに『俺、異世界宇宙人なんだ』って告白されてたら、ジェットの事電波さんだと思っちゃうもんな」

「だろ? 俺が地球に来たのは今から十年前、咲夜さん達みたいに第8区の保安官として地球へ調査に来たのさ」

「十年前……じゃあ事故で記憶喪失になったって話は……」

「うん、当然作り話だよ。圭やんと出会うまでは、人型じゃなくて猫に擬態して調査してたんだ。傍観者的視線で地球人を観察したかった訳。まぁ、咲夜さん達みたいに鳩ってのも考えたけど、俺群れるのが嫌いじゃん?」

「猫か……そういえば昔から猫みたいに自由気ままだったよな、ジェットは」

「だけど、気楽な野良猫調査をしてたある日、車椅子に乗った小学生の男の子に出会ったんだ。ソイツさぁ、やたらと俺にかまってくる奴で、初めはうっとおしかったんだけど、メシもくれるし、嫌いなタイプでもなかったからソイツの家でやっかいになる事にしたんだ。でも、ソイツは医者がお手上げになるくらいの難病を患っててさ……」

「……難病?」

「あぁ。本当にいい奴だったよ……あんな底無しにいい奴が、病気如きで命を失う事になるなんてさ……。地球人つーのは本当に弱くて、儚い生き物だとその時心底悟ったよ。その後、ソイツが死ぬ間際に情が湧いちまった俺は、ソイツの意識に侵入して俺の素性を全部話したんだ。そしたら、ソイツ……笑いながら自分の身体を使って『自分』として生きてくれって……そう言いやがったんだ」

 圭介は少し考えて、

「まさか……その子が月島……潤……」

「そーゆーこと。この身体は俺の飼い主、月島潤の『身体』なのさ。俺は潤の願いを受け入れたんだよ」

「じゃあ、つまり今はカラーズ人じゃないって事だよな……なのに能力は使えるのか?」

「ん~。簡単に説明すると、潤の心臓と俺の核が融合している状態かな。カラーズ人と地球人のハーフみたいなもんだよ。但し、使用出来る能力には制限があるけどね」

「そっか……。でも、カラーズ人がどんな存在なのかは咲夜に聞かされてるからそれほど驚かないけど、まさか幼なじみが元カラーズ人だったとは……」

「ハハハ、圭やんはカラーズ人に好かれてるんだよ」

「喜んでいいのかわかんないな、それ……」


 ジェットの笑顔に圭介は苦笑する。


「あ、飼い猫の時の名前ってなんだったんだ?」

「ん? ジェットだよ」


「ブレーンワールド」の更新ペースは、新作執筆中のため今のところ分かりません。随時チェックしていただければ幸いです。


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