第三章【第9区―ナイン―】⑤
「何この石? キレイな石だな」
疑問を口にする圭介だが、暫く誰一人として言葉を発しようとしない。「あれ……皆どうしたんだよ? 咲夜?」
「……これは『核』だ」
「核? 何それ」
「我々の動力源、地球人で例えるなら『心臓』といった所だ」
「し……心臓!? じゃあ、これ、カラーズ人の……」
「あぁ、カラーズ人の核だ。嫌な予感はしていたが、まさかこんな事態が発生しているなんて……。一体この地球で何が起きているんだ……」
カラーズ人の心臓――圭介は目の前に置かれた核を見つめ緊張する。
「心臓……って事は死……」
「いや、仮死状態といった所だ。我々の身体はこの核が粒子を造り出し身体を構成するんだ」
「粒子……?」
「あぁ。そうだな……さしずめ『C粒子』と言った所か」
「……つまりカラーズ人の身体は粒子の集合体……」
「その通りだ。筋肉から内臓組織に至るまで全てC粒子で構成されている」
「なるほど……だから鳩とかに身体を変化させられるのか……。じゃあ寿命とかは?」
「個体差はあるが、平均で千年程度だ」
「へ~千年……千年っ!?」
「あぁ。私で現在稼働250年、地球人の年齢に換算すると二十代に相当する」
圭介は思わず真白達の顔を眺める。
「……真白達はいくつなんだ?」
「150年程だ」
マジか、じゃあ150才……って事だよな。ありえねぇ……。
「核化状態に陥ると、身体が自然蘇生するまで約一週間かかる。しかしそれはカラーズに居る場合だ。地球の様に微弱な力しか発生しない惑星では蘇生に最低でも1年程の時間を要するだろう」
「じゃあ、この人達はその間何も出来ないって事か……」
「他ブレーンでの核化は致命的だ。このまま核を破壊されれば終わりだからな」
「あのさ、所でこの人達はなんで核化してるんだ? 病気……とか?」
「あらゆるウイルスに対して抗体を持つカラーズ人において、病原菌が原因で核化する事はありえない。外傷性核化と考えるのが妥当だろう」
「……攻撃を受けたって事か。もしかしてナイトメアニードルに寄生された奴とか」
「ナイトメアニードルに寄生されても身体能力が向上する訳ではない。その線は薄い」
「なら、他ブレーンの宇宙人…………」
「カラーズ人以外の知的生命体が地球に飛来した例は過去に幾つかあるが、我々を核化させる程の力を持った知的生命体の存在は未だかつて前例が無い」
「じゃあ一体誰が……」
「我々と同種、カラーズ人以外考えられないな」
咲夜が発した言葉がリビングの空気を重く、そして冷たく変化させた。
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