第三章【第9区―ナイン―】③
二人は連れ立って歩きながら、中学時代の思い出話に花を咲かせた。
しばらく歩いたところで、ジェットは圭介が手に持っている買い物袋に気が付いた。
「随分買い込んだんだな、何それ?」
「あぁ、画材だよ。またコンテストに出そうと思ってさ」
「そっか、圭やんなら絶対に賞取れるよ。何せこのオレが一目置く程の努力家だからな」
「ハハ……木葉と同じ様な事言うんだな。ジェットの方はどうなんだ? 名門海成学園の学園生活は」
「んー、まぁ大したことないよ」
「……流石は主席入学しただけあるよな。やっぱ凄いよ、ジェットは」
圭介は改めてジェットの顔を見つめる。見た目のチャラさとは裏腹に、東大輩出率日本一の名門高校にオール満点で合格した頭脳を持つジェットとは、小学五年生からの付き合いで木葉とも仲が良い。
「圭やんはもう家へ帰んの? せっかく会えたんだし~、中学ん時みたいにラーメンでも食ってかね?」
「ラーメンか……う~ん……」
圭介が思案していると背後から声がした。
「圭介」
振り向くとそこには咲夜の姿があった。
「け……圭やん! 誰このメガネ美人っ!」
咲夜の姿を見たジェットは興奮気味に声を上げた。
「え!? え、えっと……」
――落ちつけ圭介。
咲夜の声が困惑する圭介の頭の中で鳴り響く。状況を瞬時に察した咲夜は、意識共有で圭介とコンタクトを取る。
――この男は誰だ?
――あ……えっと、幼なじみの月島潤だよ。
――幼なじみか……ならば記憶の追加をしておいた方がいいな。
咲夜は自分の姿に見とれるジェットの目をみつめ、例の如く目から信号を飛ばす――
「あれ……? よく見たら咲夜さんじゃん! うわ~久しぶりだね! いつ海外から帰ってきたのさ!?」
「一週間程前だ。今は紋楼学園の教師をやっている。真白達も転入したぞ」
「マジかよ! 皆かわいくなってんだろうな~。あ、そっか! だから圭やんラーメン屋行くの迷ってたんだな」
「う……うん。今さ、皆俺の家で暮らしてるんだ」
「マジかよ! ウラヤマ指数MAXだぜ、そのハーレム状態!」
完全に昔から咲夜達の事を知っている口調で話すジェットを見て、圭介は咲夜による意識操作の凄さを心底実感する。
「いや、別にそんな風に思った事は……」
「今度圭やん家遊びに行くからな! 寮生活って言っても、同じ都内の高校なんだ、会おうと思えばいつでも会えるし! てゆーか、咲夜さんや真白ちゃん達がいるならオレも紋楼学園編入しようかな……」
「おいおい、海成の主席がそんなミーハーな理由で編入したら前代未聞の大問題だぞ……」
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