第二章『アナザーポイント』㉑
思いもよらぬ異世界宇宙人との混浴を終えた圭介は、ぐったりとリビングのソファに沈み込んでいた。
「あぁ……マジで身体がもたない……」
「圭介」
「なんだよ咲夜……これ以上辱めるのは勘弁してくれよ」
「一つ検証したい事がある。お前のアトリエまで来てくれないか」
「アトリエへ?」
咲夜に言われるがまま二階のアトリエへ移動すると、そこには四人全員が集まっていた。
「……なんだよ。今度は一体何が始まるってんだ?」
咲夜は一枚の紙を手に取った。それは美術の授業で圭介が描いた真白のデッサンだった。
「おいおい、勝手に生徒の作品を持ち出していいのかよ……全く、職権乱用も甚だしいな」
「圭介、お前にはやはり唯ならぬ才能が秘められている。今日、この絵を見て確信した」
「ハァ? 万年落選の俺を慰めてくれてるのか?」
「私の趣味は美術鑑賞でな。カラーズには美術が盛んな区域があって度々足を運ぶのだよ。故に、絵画を見る目は肥えているつもりだ」
「で、検証って……」
「このデッサン、他の生徒が描いた作品と比較してみたのだが、レベル的に言えば中の下……といった作品だ」
圭介は眉間にシワを寄せ、
「……中の下なら才能無いって事だろ」
「以前にも伝えたが、絵のレベルは確かに低い。しかし感性に訴えかけてくる光るモノがある。圭介、絵を描く時に感じる憤りみたいなモノはないか?」
「う~ん……憤りっていうか、イメージしたビジョンを思い通りに描けないんだ」
「そうか……。ならば私の推測が合っていれば、お前の才能をフルに発揮出来るはずだ。少々お前の過去を調べさせてもらうぞ」
「過去?」
咲夜は圭介の目をまっすぐに見つめる。赤く光り出した瞳を見て、圭介はゴクリと生唾を飲み込んだ。
「なるほど……そういう理由だったのか」
「え? もう終わったのか?」
「圭介、少し身体を触らせてもらうぞ」
「は?」
咲夜は両手で圭介の全身を隈無く触診し出した。頭、頬、首筋、腕、体幹、足へと、両手の手のひらを滑らせていく。
「お……おい、ちょ……咲夜……う……」
圭介は絹の様に滑らかな感触を全身に受け、身悶える。
あ……なんだろこの感覚……気持ちいいな……。
「別に性的な意味合いを込めて触っている訳ではないから勘違いするなよ」
「わ、わかってるよ!」
悶々とした気持ちを見抜かれた圭介は少し顔を赤らめた。
「よし、身体構成は確認した。圭介、もう一度私の目を見ろ」
「へ……あ、あぁ……」
圭介は咲夜の目を再び見つめる――
「痛っ! あれ? なんか今、一瞬頭にチクっとした痛みが……」
「よし、完了だ。ではもう一度真白を描いてみろ」
「え? 今から?」
「そうだ。速やかに描け」
「もう一回描けって、何回描いても変わらないと思うけど……」
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