第二章『アナザーポイント』⑪
衝撃的光景に釘付けとなる生徒達は、全員が声を失っていた。圭介の意識は余りの気持ち良さにホワイトアウトしかけた――が、それでもなんとか自我を保ち、真白を引き離した。
「な……何してるんだよ真白!」
「ん? お礼♪」
真白は軽やかに、そしてふわりとそう言い放つ。
授業中ではありえない教室の空気を感じた圭介は、咲夜を見つめ意識の中で語りかけた。
――咲夜! 聞こえてるか!?
――どうした? ファーストキスの感想でも聞いてもらいたいのか?
――ファー……じゃねぇ――――! この想定外の有事を何とかしてくれ! クラス全員の記憶を書き換えるとか!
――それは不可能だ。記憶操作は労を要するのでな。一度に5人が限界だ。
――マジか……頼む、何とかしてくれ……。
圭介は捨てられた子犬の様な目で咲夜を見つめる。咲夜は『やれやれ』といった表情で言葉を紡ぎ出した。
「全員、落ち着け。先程も伝えた様に御巫は海外生活が長い。ハグ同様、彼女にとってキスは感謝を伝えるスキンシップなのだ」
咲夜は教壇に立ち、生徒達を眺め回して、「ちなみに男女構わずキスするから気をつけろ」
咲夜のユーモアを交えた言葉に、凍りついた教室の空気は次第に溶け始め、やがて生徒達の温和な談笑が聞こえる様になった。
――どうだ、鎮圧してやったぞ。感謝するがいい。
――……素直にありがとうと礼を述べておくよ……。
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