第一章『未知との遭遇?』 ⑩
「……なんで」
甘ロリの女の子は口元に右手を添えて微笑んだ。
「フフフ……。咲夜さん、これ以上恩人である圭介様を困らせるのはよろしくなくてよ」
続けて隣のゴスロリの女の子が両腕を組みながら、弾ける様な笑顔で、
「けーくんパニくってんじゃん。そろそろちゃんと説明してあげなよ咲姉」
「さ……咲夜?」
圭介は長身の女の子に目を向ける。
「あぁ、私の名前は咲夜だ。圭介、お前にもらった名だ」
「私の名前は花蓮。素晴らしいお名前をありがとうございます」
「僕は姫。結構この名前気にいってるよ!」
甘ロリとゴスロリの女の子が続けた。
「ちょ……冗談抜きでキミ達は一体……」
「鳩だ」
「……だから、もう冗談は……」
「冗談抜きでお前に世話になった鳩だ。正確には鳩に『擬態』していたのだがな」
「擬態……? あの……もう訳わかんなすぎて、泣きそうなんですけど」
「では、単刀直入に言おう。我々は宇宙人だ」
咲夜と名乗る大人びた長身の女性の口から飛び出した電波さん確定キーワードによって、圭介の頭の中は先程まで存在した大量のハテナマークが一気に消滅し、この場から離脱する為の言い逃れ候補で満ち溢れた。
「あ……あの、俺もう学校に行かないと……」
圭介が月並みな言い逃れを口にしたその時――
「圭ちゃん?」
突然の木葉の声に振り向いた。
「こ……木葉」
「ん? この人達、誰?」
「あー! 木葉だ!」
自称真白は、そう叫ぶと木葉目掛けて走り出し、彼女に抱きついた。
「え? え!? ちょ、ちょっと圭ちゃん、この子は……」
「いや、どう説明したらいいのか……」
二転三転する展開にオロオロする圭介。急に抱きつかれた木葉も状況が全く把握出来ない。
しかし――
「……真白ちゃんだよね? やだー! 久しぶり! 元気にしてた!?」
「……は?」
突如親しげに自称真白へ話しかける木葉を見て、余りにも驚天動地な展開に言葉が出ないでいると、自称咲夜は意味深な笑みを浮かべ、言葉を紡ぎ出した。
「木葉の意識に介入して記憶を追加した。これで我々は、圭介の『親戚』として木葉に識別される」
「記憶の……追加?」
「あぁ。先程私の目から信号の様なモノを飛ばし、木葉の視神経から神経細胞へ侵入して記憶を書き換えた。どうだ? これで我々がこの星の人間ではないという信憑性は増したはずだが?」
自信満々に話す自称咲夜を前に、圭介はその説明の一パーセントすら理解出来なかったが、事実を確かめる為、木葉に質問を投げかけた。
「木葉……この人達の事、知ってるのか?」
「え~? 圭ちゃんの親戚を木葉が忘れる訳ないじゃん! 真白ちゃんに、咲夜さん。それに姫ちゃんと花蓮ちゃんでしょ?」
「あ……あぁ」
「じゃあ私、部活のミーティングがあるから先に学校行くね。またね真白ちゃん!」
木葉は普段通りの笑顔を振りまき神社を後にした。自称咲夜の説明通り、この4人を親戚だと『断言』した木葉の言動によって圭介の中に僅かな信憑性が生まれた。
「本当に……う、宇宙人なのか?」
「あぁ、本当だ。まぁ、宇宙人と言っても『この』銀河の知的生命体ではないがな」
「銀河……? 意味わかんねーけど……じゃあ、ずっと鳩の姿でいた理由は?」
「我々は地球に降り立つ際、ある事故に遭遇してダメージを受けた。その傷を癒やす為にエネルギー消費の少ない小動物に擬態していたのさ。圭介、お前には本当に世話になった。心から礼を言う。ありがとう」
「いや、そんな事は別に……。それよりも何の目的でその……地球へ?」
「それは――」
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