第一章『未知との遭遇?』 ⑧
翌朝――
いつも通り6時に家を出た圭介は、毎日の日課である鳩の餌やりをする為、鳩神社へ到着していた。
「おはよう皆。さぁ、おなかいっぱい食べるんだぞ」
圭介が境内に餌をバラまくと、いつもの様に鳩達は一斉に地面を嘴でつつきだす。
いつもと変わらない穏やかなその光景を、ベンチに座って微笑ましく見ていた圭介だったが、普段とは違う『違和感』を感じ始めた。
「……あれ? 何で真白達来ないんだ?」
いつもならば6時15分ジャストに飛来してくるはずの真白達が一向に現れない。
「昨日あんなにリボン喜んでたのに……もしかして、怪我が治ったから何処か遠くへ行っちゃったのか?」
出会って以来、心を癒やしてくれていた真白達は、圭介にとって大切な存在だった。その真白達にもう会えないかも知れない。そんな寂しい想いに駆られながら、空を仰いでいたその時――
「……けー」
「ん?」
「……すけー」
「は?」
「けーすけー!」
頭上から聞こえる自分の名を呼ぶ声。その声に反応した瞬間、何者かがいきなり抱きついてきた。
「のわっ!?」
ラグビーのタックルのような衝撃を受けた圭介は、勢い良くベンチから転げ落ちた。
「う、うう……」
軽い脳震盪を起こしたものの、なんとかゆっくりと目を開けると、見知らぬ女の子の顔が映し出された。
「え? あ、あああああの」
女の子は大きな目に映える翡翠を溶かした様な美しい瞳を潤ませて、息が吹きかかる程の至近距離でこっちを凝視している。仰向けになっている自分に四つん這いの状態で覆いかぶさるようにしている女の子は微動だにしない。
――か、かわいいな……
「けーすけけーすけけーすけぇ!」
「うおっ!」
突然抱きつく見知らぬ女の子の予期せぬ行動に困惑する圭介だったが、そんな状態にも関わらず、女の子のサラサラとしたアッシュシルバーのロングヘアと透明感のある白い肌から放たれる甘い香り、女の子特有の柔らかな身体の感触に全神経を支配されていた。
何だ……このラッキー展開……。この子は誰? ん?…………あれ? でも、この感覚どこかで……
「ハッ!」
遠のきかけた意識が戻った圭介は我に返り、抱きつく女の子の身体を引き離した。
「あ、あの……キ、キミは……誰?」
「真白だよ!」
「…………はい?」
「だから真白だよっ!」
「真白って……鳩の?」
「うんっ!」
見知らぬ女の子は弾けるような笑顔でそう答えた。圭介は幸運転じて『電波さん』と遭遇してしまった事に懸念を抱く。しかし、自らを『真白』と名乗る女の子の首もとに見覚えのある『モノ』がつけられていた。
「その……ネームプレート……」
<続く>
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