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モノローグ

これは電車の中で唐突に思いついてその場の衝動に身を任せて書いたものです。


細かい設定は忘れましたw


追記 もしかしたらマイペースで更新するかも

少年はいつも1人だった。


街の喧騒から離れ、薄汚れた路地裏に、たった1人蹲る。


路地裏一帯は、生ゴミの腐った匂いと死臭が充満していた。


彼の右には、下流階級(プレカリアート)に使い捨てられた、少女だったもの。


左には、労働環境の改善を訴え、暗殺された男だったもの。


少年は、生きることも、明日さえも諦めていた。




「少年、一緒に来る気はあるか!

 諦めるには、まだ早いぞ。」


街の空が一段と黒ずみ、喧騒が悲鳴へと変わったその日


少年の運命は動き出す。




数時間前 王都クルガンフルト南部区画 広場にて


貴族風の服を纏った青年が群衆に向かって呼びかける。

「今こそ、我々の力を見せる時だ。現皇帝の統治下では、

 我々下流階級に未来はない。下流階級による、下流階級の

 ための政治を行い、平等な社会を実現するために。」


『オーーーッ!』


そして、青年は呟く。


「今日はいい風が吹きそうだ。」と。


その頃 王都クルガンフルト中央区画 執務室にて


眼下の街とは対照的にこの世の贅を尽くしたと言ってもいい

白髪の皇帝のもとに、一つの報がもたらされた。


「陛下、恐れながら申し上げます。

 南部区画の広場にて、下流階級のものどもが、騒ぎを起こ

 しております。如何しますか。」


「そんなもの捨て置け、所詮は烏合の衆だ。あれに囲まれて

 いる以上、此処にはこれまい。」


皇帝は眼下に聳え立つ(そびえたつ)城壁を眺めながら吐き捨てた。


その頃、城壁の外側では、ただの一揆と切り捨てることができないほどの惨状に見舞われていた。


大通りに面する建物の彼方此方から火の手が上がり、大通りの端には、乱雑に寄せられた赤に染まり動かなくなった人。


壁外を呑み込んだ火災は、下流階級を阻むのには十分な壁を

容易く超え、壁内の貴族街へと延焼を始めた。


「陛下、此方は風下です。早くお逃げになって下さい。」


皇帝は手許にあったグラスを壁に向かって投げつけ、言う。


「余は皇帝ぞ。逃げるわけにはいかぬし、この城はそう簡単

 には落ちん。まあ良い、親衛隊から三部隊を出す。今すぐ

 に奴らをを蹴散らしてこい。」


『し、しかし彼らは...』


「余の命ぞ、従わぬのか。兵なんぞいくらでも代替のきくも

 のではないか。何を惜しむ必要がある。さっさとせい。」


『はっ、直ちに。」


家臣の退出を前に、ある者は皇帝のその呟きを聴き逃さなかった。


「雑種が、粋がるなよ...」


皇帝は知らない。自身の生があと幾ばくかである事を。


家臣は理解した。皇帝による治世の終焉を。


城内 寝所にて


「おとうさまは、だいじょうぶなの。まちがまっかにもえて

 るよ!」

幼き姫は、無垢な瞳に地上の灼熱地獄を映しながら尋ねた。


「あなたが気にすることではありませんよ。我々は皇族なの

 ですから。気にしていては、煙ったさが移るわよ。」

怖がる姫を抱きしめて、囁いた。

奥方は、選民意識に染まり過ぎていた。


しかし姫は、選民意識に染まっていなかった。

その分、壁外のことも理解していなかった。


同時刻 軍詰所


「陛下の勅命により、お主らにはこれより壁外の暴徒と化し

 た市民を鎮圧してもらう。悔しいが私にできることは無か

 った。市民を...救ってくれ。」


供養ありがとうございます...

続くといいなぁ

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