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ストリート演奏打ち合わせ会議(2)

第九以外の曲は、短い曲ということも決定、今後相談して決めることになり、検討課題は当日の警備の話に移った。


ルシェールが、警備総括責任者のソフィーに話を振る。

「続きまして、やはり日本の中心地の一つ、東京駅になるので、充分な警備体制と実践が必要となります」

「そこで、警備総括責任者のソフィーが、警備概要につきまして説明いたします」


ソフィーは、いつもの通り厳しく冷静な表情で説明を始める。

「警備体制につきましては、警視庁、それから今回ありがたくもご協力を願い出ていただいた、江戸の大親分様の御一家が、前々日から不審者や不審物の点検を行います」

「当日は、原則として遠巻きに演奏を見ているのですが、やはり至近距離も何があるかわからないので、聴衆に気取られないように、私服にて配置をいたします」

「それから坂口先生からも、ご協力を願い出ていただけましたので、当日にお弟子様たちを要所のあちこちに配置していただけることになっております」

「絶対に警備の失敗は無いように万全を期します」


江戸の大親分が、ソフィーに続く。

「何としても、安全第一、成功しなければならん」

「俺の一家は命を張っても、守る、その覚悟だ」

「こんな大恩のある光君の演奏だ、それに俺のシマの東京駅、それが出来なければ、任侠でも何でもない」


坂口が続く。

「俺らも本気で警護する、どんな不穏な動きも見逃さない」

「それから俺は舞台に乗って、舞台から不穏な輩が来ないように監視する」


警備の話が、一応片付いたので、ルシェールは実際のストリート演奏の様々な仕掛けや、イベント進行担当の大財閥当主の岩崎義孝と、大財閥配下の大手広告会社の専門スタッフに話を振る。

「具体的な演奏者たちのスケジュール、フラッシュモブなので、少しずつ演奏者が加わって第九の大演奏になっていく形となると思います」

「その手順などの設定をお任せしてある岩崎義孝様と、広告会社の担当者様、ご説明をお願いいたします」


岩崎義孝が立ち上がった。

「細かな設定は、今回の担当をする広告会社の望月梨花が説明をさせます」

「私としては、今回のイベントは光君が示した目的通り」

「音楽の楽しさ、喜びを感じてもらって、生きる気力を盛り上げてもらいたい」

「完全にチャリティーで、聴いてくれた人の笑顔と、輝く目の力を、報酬としたい、そのための希望ある最善の計画を立てるに尽きます」


岩崎義孝の話が終わり、望月梨花が立ち上がった。

年齢は、24歳ぐらい、大きな目をした愛らしい感じの美人。

しかし、話し方は、テキパキとしている。


「ただいま、当主の岩崎義孝より紹介された望月梨花と申します」

「今回の演奏面、全ての仕掛けを仕切らせていただきます」

「具体的には、第九の演奏がメインになりますが、誰が最初に音を出し、次に誰か、その順番を組み立てます」

「また、今までの光君の演奏も、全て聴かせていただきました」

「本当に、全ての演奏が、神がかるような心に響く演奏」

「となると・・・必ずアンコールもかけられます」

「それを何曲に、どんな曲にするのか、それも含めて音楽面では、光君、小沢先生、内田先生、音大の学長様と、今後重々と細かな検討を行ってまいります」


望月梨花は、ここで一呼吸を置いた。

そして、光をにっこりと見る。


「本当にルックスも可愛くて、光り輝く、名前の通りの光君です」

「シックな衣装でもカッコいいですが、アイドル風もまた、可愛い」

「知りあいのカメラマンが見れば、即男性モデルです、写真集にすれば、売り上げも期待できます」


そして、特に巫女たちには、危険な一言。

「私、一見しただけで、光君に惚れました」


光は、「全く、意味不明」の顔、会議に出席した男性たちは大笑い、巫女たちや、女性たちは、口をへの字に結んでいる。


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