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霊園に漂う危険な香り

ソフィーが光の視線の先を読む。

「大きなお葬式の後の埋葬かな」

「立派な袈裟のお坊さん3人、集まっている人たちも、かなり裕福な感じ」


由香利も目を凝らしている。

「うん・・・ちょっと筋のやつらかな」

「あれだけのお坊さんを連れて来るから、組長クラスかも」


春奈が光に声をかける。

「ねえ、何か問題がある?」

「特に関係はないでしょ?」

光の家とは関係が無いのだから、無視してもいいのでは、という意を含める。


柏木綾子が「ハッ」と気がついたらしい。

光の横に立つ。

「光さん、あの煙のこと?」


確かに風が少し強いので、線香とは異なる香りが、光たちのいる場所にも漂って来る。

キャサリンが顔をしかめた。

「煙草ではないかも・・・これ・・・大麻?」

サラも気づいた。

「どうして墓地で大麻を?」

春麗は厳しい顔になった。

「何か、とんでもない事件かも」


光のジャケットの裾を由紀がつかむ。

「ねえ、光君、どうする?」

華奈は不安そうな顔。

「相手はヤクザみたいな人ばかり、武器とか持っているかも

「警察に任せたら?」

と。ソフィーの顔を見る。


ソフィーも途中から気がついたらしい、タブレットで麻薬捜査官に

応援依頼を発信している。


怪しい一団を眺めていた光が口を開いた。

「おそらく、大麻の隠し場所に墓地を使っている」

「埋葬式なんてのは、そのカモフラージュ」

「問題は、それに僧侶が絡んでいること、あれは日本最大の信者がある宗派の僧侶、特に金集めは熱心、説法料から何から相当高い」

「その宗派拡大に、大麻の資金が絡むと、どうなのか、問題が無いとは言えない」


春奈は光の顔を見る。

「戦闘はしないほうがいいよ、墓地だし」


光も、頷く。

「殴ったり蹴ったり、そんな騒ぎはしない」

「墓地は、亡くなった人が安らかに眠る場所」

「ただ、そんな悪事を身近に感じれば、安らかには眠れない」


光がソフィーの顔を見た。

「もしかすると、これほど堂々と露天で大麻を吸えるとなると、地元の警察と結託があるかもしれない」

「地域の極道、地域の大寺、地域の警察・・・」

「あるいは地域の政治家、役人」


ソフィーは、苦々しい顔で光を見る。

「光君、最近は探偵?どうして推理が早い?」

「女心は、各駅停車で推理は新幹線?」


しかし、光はソフィーの顔などを見ていない。

いきなり上空から姿を現した金剛力士二体を見つめている。


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