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会議について行けず、いじける春奈。ソフィーの強烈な指摘。

春奈は、光の横顔を見ながら、驚いている。


「神霊界のご協力もあって、首相以下政府の協力、それに加えて日本の財界まで仲間に加えてしまった」

「本当に人を引きつける力が強いなあ」

「奈良興福寺の阿修羅像も、その力が強いけれど・・・」

そこまで思って下を向く。


「なんか、弱々しい光君のほうが可愛かった」

「文句を言えるし・・・」

「その後、胸に包んでムギュっとすると、ジタバタして面白かった」

「今は、巫女さんも多いし、私より若い子ばかり」

「なんか・・・私も実におばさんだ」

「相手にしてもらえないかな、つまんない」

「立派になり過ぎだよ、光君」


光とソフィー、岩崎義孝、他の巫女も時折は加わって「小難しい話」をしているけれど、春奈はなかなか発言できない。

「衛生管理とか疫病対策」で発言しようとも思うけれど、その話題には進まない。


そして、とうとう、ソフィーが

「後は、適宜、相談するということで」

と、会議を終えてしまった。


春奈が、少々ガッカリ顔で、食器を洗っていると、光が隣に来た。

「春奈さん、どうしたの?下向いてた」


春奈は、光の顔を見ない。

「だって、難しすぎる話だもの」

「分野も違うし、わからないことは言えないでしょ」

光は、春奈と一緒に食器を洗い始める。

「ごめんね、春奈さん、今日の話の展開では、出番がなかったね」

春奈は、まだ光の顔を見ない。

「いいよ、光君、光君には自分の考えがあるしさ、たくさんの命と財産を守る話だもの」

「私なんて、それは無理だもの」

春奈は、言い終えて少し冷たいと自分でも思う。

でも、光には隣にいてもらいたいという、複雑な気持ち。


光は、そんな春奈に少し近づく。

「春奈さん、必ず出番がある」

「その時は頼みます」


春奈は、それでも光の顔を見ない。

「ふーん・・・いつのことになるのやら」

結局、「皮肉の春奈」が復活している。


光が、困ったような顔で、春奈から離れると、今度はソフィーが春奈の隣に立つ。

「何をいじけているの?」

「仕方ないじゃない、光君に皮肉を言ってどうするの?」

「また、光君を苦しめたいわけ?」


春奈は、そのソフィーに反発。

「そんなことないって、事実だもの」

「私、特に今日は、全く光君の役に立っていないし」

「次の出番は、いつのことになるのやら」


すると、ソフィーも怒り始める。

「あのさ、いい加減にしてくれない?何度も同じことを」

「部屋変えようか?私でも由香利さんでもルシェールでもいいんだよ」

「それが嫌だったら、奈良に帰れば?」


そしてソフィーの次の言葉は、実に強烈。

「春奈さん、貴方、光君も私たちも・・・そして地球を壊したいの?」

春奈は、そのまま崩れ落ちてしまった。


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