光家、二階の大広間でテロ対策会議
二階の大広間に全員が移ると光は壁のリモコンを操作。
フローリングの床からテーブルや椅子が持ち上がり、そのまま会議会場と化す。
岩崎義孝は、目を丸くする。
「いや・・・これは・・・素晴らしい・・・」
「是非、使いたい」
その岩崎義孝にソフィーが耳打ち。
「この光君のお父上は、例の・・・」
岩崎義孝は、また驚いた。
「え・・・あの超御高名な?我が社も設計してもらった物件も何件かある」
「そんなお方のご子息になんと無礼なことをしてしまったものだ」
その光は、春奈と一緒に、珈琲の準備を始める。
春奈
「実は自分が飲みたかったとか?」
光
「うん、それもある」
春奈
「もしかすると大財閥から、美味しい珈琲豆入るとか?」
光
「うーん・・・考えていなかった」
他の巫女は、光と春奈の「蜜月ぶり」が気に入らなかったようだ。
由香利
「うん、このカップがいいかなあ」
由紀
「光君が珈琲を淹れて、春奈さんは配るだけにしてください」
「私たちが手元をします」
ルシェール
「お砂糖とミルクの準備は、私と華奈ちゃんと綾子ちゃんで」
「春奈さんは、とにかく配って」
よくしたもので、華奈と綾子は、春奈を押しのけるように機敏に動く。
キャサリンはテーブルをきれいに拭く。
「ほとんど汚れはないけれど、やはり会議の基本は清潔、整理整頓」
そのキッチリとした性格が、テーブル拭きの姿ににじむ。
サラは、食品保蔵庫から、超高級ビスケットを発見、春麗と一緒に取り分ける。
サラ
「ここに隠してあったんだ、楓ちゃんには見せないほうがいい」
春麗
「楓ちゃんが万が一来ると困る、今日中に食べきろう」
楓が知ったら、超暴風文句となるようなことを言い合っている。
そんな光と巫女たちの様子を見ている岩崎華はニコニコ。
「お客様でなくて、手伝いたい」
そんな華を見る祖父義孝は、うれしそうな顔。
「ここに来て実によかった、華の目が輝いている」
さて、そんな準備もほどなく終了。
光が丁寧に淹れた珈琲と超高級ビスケットをテーブルに置き、ソフィーが司会、相談が始まった。
「役割分担を決めて、取り組みましょう」
「光君と巫女さんたちは、東京駅丸の内の広場でストリート演奏、犯行グループの大元締めを引き寄せる一種のおとり捜査です」
「光君の音大関連の仲間が集まるので、ある程度の多人数になるかと」
由香利が手を挙げた。
「私の一家は、遠巻きに囲むよ、もちろん内偵もする」
岩崎義孝は、やはり実業家、言葉も実践的。
「丸の内ビルの賃貸関係の徹底分析、銀行送金時の詳細を分析」
「とにかくデータを出来るだけ集めて、財界を通じて注意喚起します」
岩崎義孝の目にも、闘志が宿ったのか、輝いている。




