光は日本最大の財閥当主と協力関係を結ぶ。
「かしこまりました!」
岩崎義孝が、阿修羅に手を合わせた瞬間だった。
目の前の阿修羅は消え、光が目の前に座っている。
また、隣に座る孫娘の華、周囲の巫女たちの位置は全く変わっていない。
ソフィーが口を開いた。
「岩崎さん、先日、強制捜査が入った丸の内のビルは、岩崎さんの企業グループの所有ですね」
岩崎義孝は、いきなり現実に戻る。
「はい、その通りで・・・驚きました」
「まさか我が社のビルで、あんな非道なことが行われていたとは」
ソフィーは言葉を続ける。
「実は、その大元締めが、まだどこかにいるのです」
「そして、より大きなテロを計画している情報があります」
「あの振り込め詐欺は、その軍資金をかせぐため」
「しかも、所轄の警察官を抱き込み、すぐにはばれないようにする」
岩崎義孝は、頷くばかり。
ソフィーは、また言葉を続ける。
「あのビルから押収した資料には、怖ろしい事ですが」
「一定期間後に、ビルそのものを爆破解体する計画もあったようです」
このソフィーの言葉に岩崎義孝が蒼ざめた。
「それは・・・私のビルだけではない、周囲のビルにも迷惑が及ぶ」
「いや・・・東京駅まで、つながっていから、交通も遮断される」
「いや、数百億・・・もっとか・・・どれほどの損害を我が社のみならず、日本に与えるのか、はかり知れない」
光がおもむろに、口を開いた。
「もう、銀座の楽器店でのお詫びとか、そんな話ではありません」
「まだ、その犯罪の大元締めが見つかっていない段階で」
「岩崎さんのビルだけではなくて、他の企業グループのビルでも、そんなことはあるかもしれない」
「ひとたび、そんなテロが発生すれば、凄まじい大損害」
「その前に無差別テロですので、無関係な人たちの被害も凄まじくなる」
「しかも、大元締めの手口から見て、所轄の警察官を抱き込み手下にして、日常の監視までさせながら、警察の捜査情報まで手に入れてしまう」
ますます難しい顔になる岩崎義孝に、光は手を差し出す。
岩崎義孝が驚いて、思わず光の手を握ると、光はその目を輝かせる。
「対立もお詫びも、いりません」
「それより、協力をして、この大テロを防ぎましょう」
その光の言葉に、岩崎義孝の目に、火がともった。
「わかりました、協力などとは、おこがましい」
「自分のため、我が企業グループのためだけではありません」
「日本のためにもなります」
「日々、懸命に生きている人々の命を救うためにも」
「やりましょう!光さん!そして巫女さんがた!」
「この岩崎義孝の全力、企業グループの全力」
「日本の経済界の全力を注ぎましょう」
「とにかく、何でも言ってください」
そして、少し大きな声。
「負けるもんか、そんな悪党に」
「ねえ、光さん」
光は、にっこりと笑う。
「じゃあ、具体的に、もう少し」
「二階の大広間にて、相談を」
光と岩崎義孝を含めて全員が、ソファを立ち、二階の大広間に向かった。




