ソフィーを抱きかかえる光、突然、岩崎華が光の家に
ギョッとして振り向いた光は、ソフィーの拳骨パンチを指一本で阻止。
バランスを崩したソフィーをそのまま、抱え込む。
ソフィーは、実に赤面、他の巫女が血相を変える中、光の発言は実にいい加減なもの。
「ところで、マルタ島って飛行機で何時間かかるの?」
ソフィーは光に抱きかかえながら、呆れた。
「あのさ、どうやっても13時間から14時間以上、ここから成田まで行く時間を考えれば1日ほとんど移動時間」
「だから連休2日で、全部移動時間」
「光君、地理の勉強したことあるの?」
光は、ソフィーを抱きかかえながら、アッサリとした答え。
「それじゃあ、無理、なかなか難しい、今回は、あきらめよう」
「全てカタがついてからにする」
サラはガッカリと将来の希望が入り混じった複雑な顔。
他の巫女は、全員が光のアホさ加減に呆れるのと、ホッとした顔、それとソフィーが光の腕の中にいるのが、実に気に入らない。
春奈
「マジで年甲斐が無い、腕の中にいることを、実は楽しんでいる」
華奈
「妻の目の前で、公然浮気?私も拳骨したくなってきた」
由香利
「華奈ちゃん、その妻発言は無効って言ったでしょ?それに格闘で光君にもソフィーにかなうわけないでしょ?だから拳骨発言も無意味」
ルシェール
「どうせなら、私のほうが豊満、だから抱き心地は私のほうがいいはず」
・・・・他の巫女も、様々、ムッとしているだけなので、省略。
さて、そんな他愛もない話に終始していた光の家のチャイムが鳴った。
光が、スッとソフィーを放り出して立ち上がると、インタフォンから緊張した若い女の子の声。
「あの・・・この間は、本当に申し訳ありませんでした」
「岩崎・・・華です・・・」
巫女たちが「え?」と顔を見合わせて警戒心が芽生える中、光は「はい」と答え、玄関に歩きだす。
春奈は難しい顔。
「あの我がまま、暴言暴行少女か・・・大財閥で甘やかされて育って、警察の捜査まで受け」
光にあっさりと放り出されたソフィーは血相が変わっている。
「光君が犯罪にしないって言ったから、あの程度で済んだ、普通なら逮捕拘留」
他の巫女も、嫌そうな顔になっているけれど、光は実にあっさりと玄関を開けてしまったらしい。
巫女の中でも、比較的冷静なルシェール、由紀、キャサリンも玄関に向かう。
岩崎華は、シックな濃紺のワンピース、実に上品なお嬢様の雰囲気。
涙ながらに、光に頭を下げる。
「本当に光さん、ごめんなさい、何度も私を救っていただいて」
「私、本当にひどいことをしたのに」
頭を下げながら、泣き出してしまったのか、声が湿る。
光は、右手で、その岩崎華の手を取り左手で背中をなでる。
「いいよ、気にしていない」
「わざわざ謝りに来たの?可哀そうに、悩んじゃったの?」
岩崎華は、我慢ができなかったようだ。
そのまま光に、むしゃぶりついて泣き出してしまった。




