まずは、丸の内のビルの一味をつぶしたけれど・・・
カルラ神が、そのソフィーに笑顔。
「カルラ神は、空を飛ぶ全ての鳥が見たことを把握できる」
「だから、彼らの動きは、全てわかる」
光がソフィーに声をかける。
「丸の内のビルに、誘拐された人が集められているということになれば、管轄の警察官を巻き込んでいるのでは?」
「管轄の警察官を調べれば、何かわかるかもしれない」
ソフィーも納得、腕を組み、考える。
「それで警察の動きは、内部だからすぐにわかるのか」
「内部の動きのスキを狙って、犯行を実行」
「それと・・・格闘歴か・・・特に空手関係」
「坂口先生にコテンパンに倒された空手家の弟子につながる警察官」
「・・・そうなると、かなり絞られてくる」
春奈が光に質問。
「ねえ、光君、それだから、東京駅の丸の内の広場にしたの?」
「いつもの、おびき寄せて全滅させる戦略なの?」
光は、素直に頷く。
「うん、同時多発は対処が面倒」
「危険な芽は、伸びる前に撤去が必要、まずは丸の内のビルから」
ソフィーはその言葉で、早速警察庁トップ、官房長官に連絡。
東京駅を含む付近の警察署と派出所全ての警察官の調査を開始した。
また、カルラ神からの話があった丸の内のビルの一室については、警察庁の特別決裁を得て、通信履歴獲得、通信傍受の措置を直ちに実行。
また、直接に振り込め詐欺の連絡を、詐欺狙いの客に行えないよう特殊な措置を実行している。
ソフィーの実行した「措置」の直後から、丸の内のビルの一室に拉致集められ、振り込め詐欺電話をしている人たちに、動揺が走った。
「コノデンワバンゴウハゲンザイツカワレテオリマセン」
どこに電話をかけても、この応答しかない。
それを不審に感じた所轄派出所の警察官が、連絡をしても、同じ応答しか返ってこない。
とうとう苛立ったその警察官が、
「使えねえって何事だ!これじゃあ商売ができねえ!」
「親分に怒鳴られて、リンチされちまう!」
と怒鳴り声をあげたのが、明確な証拠、強制捜査の端緒となった。
通信傍受をしながら丸の内ビルの一室を取り囲んでいた警視庁本庁の警察官10数人が一斉に、入室。
電話機を手にしたままの所轄警察官は最初に手錠をかけられ、また拉致後に集められていた演奏家にして、振り込み詐欺の実行犯30人以上も、全員逮捕、警察車両にて、警視庁に連行されることになった。
また、全員が連行された後にビルの室内を捜索した結果、大量の詐欺関連資料
銀行関連資料、複数の政治家の名刺をまず発見。
次に、大量の意識誘導が可能な薬物、大麻,LSD、コカイン。
自衛隊専用のナイフ、ピストル、弾薬も発見。
それ以外には、数人の白骨死体も確認された。
ソフィーから、その報告を聞いた光の顔は厳しい。
「残された証拠に過ぎない」
「その部屋から振り込み詐欺が不可能になっただけ」
「その親分を特定しないと、どうにもならない」
「まだまだ、尻尾を掴んだとは言えない」
ソフィーも巫女たちも、光の考えには同感、同じように表情が厳しくなっている。




