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実行犯の過去、坂口の記憶

ソフィーは警察に出向く前に、そのまま、坂口氏に連絡を取り、面会を求めた。

「すみません、急に光君とお地蔵様まで、坂口先生のご協力をあおげと」

「実に突然で申し訳ないのですが」


坂口の返事も早かった。

「うん、私も連絡をしようと思っていました」

「実に、惨たらしい事件、警察も背後を探っているけれど、いまだ尻尾をつかめません」

「申し訳ありませんが、目黒事務所にて待ちます」

「何しろ、外に出ることにリスクを感じていますので」


ソフィーは、その最後の言葉に緊張する。

「そうか、気がついていたみたい」

「そうなると近づく人を全て監視している場合もある」

「となると・・・気配を消して・・・観音秘力を使う」

ソフィーは結界呪法を施し、坂口氏の目黒事務所に向かった。


ソフィーが坂口の目黒事務所内に入ると、坂口は不安な顔をしている。

「何しろね、ボヤ騒ぎが多くてね」

「事務所の近くのゴミ集積所でも最近頻発してるし」

「私の自宅の近くでもあった」

「それから弟子の斎藤のアパート、大学でも、実に多い」


ソフィーは、頷きながら、まず事務所周辺の状況を伝える。

「確かに目付きの不審な輩を数人確認しました」

「おそらく、下っ端と思います、服装はヤンキー系」

「その指示者から直接の指示をもらってはいないのでしょう」

「暇を持て余しているのか、格闘・・・空手かな、その型をしていました」

「見るからに下手、だから下っ端なのだと思いますが」


坂口も思い当たることがあるようだ。

ため息をつく。

「私が歩いて見かける時は、そんなことはしない」

「ただペラペラしたヤンキーかな、時々尾行はされる」

「ただ刃物を持っている可能性があるので、あえて刺激はしない」

「変に刺激して一般人に被害が飛び火しても困る」


ソフィーは、その坂口の反応で気がついた。

「おそらく、尾行しても坂口先生が何の反応も示さない、つまりシカトされるので、ボヤ騒ぎを起こして、警告するのでは」

「まあ、刃物を持っていようと、坂口先生にかなうわけはない、それもわかっているはず、坂口先生が対応してしまったら、つまり、そのヤンキーを倒してしまえば、それを逆手に取って、暴行とか何とかで、大騒ぎをはじめて坂口先生を貶め、ひいていは警察を非難して貶める」


坂口は、実に嫌そうな顔、ようやく気がついたことがあるらしい。

「かつてね、若い時にさ」

「竹内って空手野郎と、道場で立ち会ったのさ」

「私と竹内の両師匠と、合気道の師匠も立ち会ってね」

「今でいう異種格闘技の走りさ」


ソフィーは、その「竹内」という名前に即反応。

警察官の不祥事退職者の中に、その「竹内」の名前があったことを思い出す。

ただ、今の時点では、坂口の話を聞く。


「それでね、竹内が急所突きばかりを狙うので、こっちも切れてしまった」

「だから、その突きの腕をとらえて逆十字を厳しめに極めた」

「竹内はあえなく失神、よほど痛かったのかな、確かに私も本気だったけれど」

「ただ、竹内はその後、師匠から恥をかかされたとして破門」

「竹内は、空手の道場仲間、今回の襲撃事件の実行犯の中田も含めて5人がかりで深夜に師匠宅を襲い、師匠と奥さんを刃物にて惨殺、空手ではない」

「その後、屋敷に放火して、その後行方をくらました」

「一緒に襲撃した道場仲間が警察に捕まり、主犯の竹内と中田の名前も出たので、犯罪は明白として懲戒解雇の状態」

まさに、地蔵菩薩と光の推理を裏付けるような、坂口の話が続いている。


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