表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/303

激突 春奈vsソフィー 光は厳しい顔に変化する。

光たちの一行の京都行き計画も、ほぼ決まり、大型モニターから圭子と楓は消えた。

光と候補者世代巫女たちは、ノホホンとなっているけれど、年上巫女の春奈は、どうもソフィーが気に入らない様子。


春奈がブツブツと文句を言い始める。

「ソフィー・・・さっきの言い方は何?マジに気に入らない、珍しく座禅をして足がしびれただけでしょ?それを巫女として言語道断って、言い過ぎだよ」


しかし、ソフィーもさるもの、「はいはい」とは謝らない。

「そんなことを言っても事実でしょ?ちょっとばかりの座禅で足がしびれるなんて、自覚不足、鍛錬不足としか言いようがないもの」

「まあ、ルシェールはフランス人だし、そこまでは言わない」

「華奈ちゃんは、未熟そのものだから、許してあげる」


春奈とソフィーの口争いが飛び火したルシェールと華奈は、この時とばかりに光の両脇に、光の「まあまあ」という、「なだめ発言」を待つ。


ただ、春奈も簡単にはおさまらない。

「私はソフィーみたいな剣道してないし、座禅なんて無関係で育ったの」

「一体何?一緒に羊羹と抹茶できなかったヒガミ?そうでしょ?」


ソフィーは、そこで「うっ」と詰まる。

けれど、即反撃開始する。

「それは当たり前でしょ?どうして自分たちだけで楽しい思いをしてさ、私が急いで羊羹店に行ったら、階段を降りて来るの?」

「少しは、お仕事をしているソフィーが大変だなあとか、待っていてあげようとかさ、そういう思いやりのカケラがないの?」

「それにさ、座禅で足がしびれて、ひ弱な光君にしがみついて起こされる?」

「ただ、抱きつきたいだけでしょ?マジ?年甲斐もない!」

「教師として問題あるって!」


春奈は、しかし余裕。

「ふん!そんなの抱きついたもの勝ちなの」

「それに、あくまでも学園内では厳しい教師」

「家庭内では、前世では一番妻だったことが多い、本当の妻だもの」

「マジで違和感がない、光君の身体、ずっと抱っこも抱かれても、いいなあ」

「ソフィーなんて、たまにあるだけでしょ?」

ここまで言って、春奈は光に話を振る。

「ねえ、光君もそう思うでしょ?」


その光は、そんな話を振られて実に困った。

何しろ自分を見つめてくるのは、春奈とソフィーだけではない。

全ての巫女が、「異様に厳しい目」で自分を見つめてくるし、両サイドのルシェールと華奈は、思いっきりその身体を押しつけてくるのだから。


「このまま寝たふりはできないだろうか」

まず光が思いついたのは、これだった。

しかし、それはすぐにあきらめた。

「だって、僕は目を開けているし、寝てしまうと実に不自然」


ただ、光は、何よりこういう状況が面倒で仕方がない。

「春奈さんも、ソフィーもメチャ怖いしなあ」

「ふむ、この状態を脱するには何か・・・」

「ああ、考えるだけで面倒」

とまで思いが進んで、出た言葉は光には珍しい実にマトモなものだった。


「あのさ、そもそもの質問としてね」

「僕に抱かれるとか、僕を抱くとかの話に、座禅と羊羹から、どうして飛び火するの?」

その光の発言に、まず、言い争いをしていたソフィーと春奈が、虚をつかれたかのように、「ウッ」と詰まる。

すると、その春奈とソフィーの表情を見た光が、またしても珍しく実に厳しい顔になっている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ