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楓は天敵母に、稲荷を食べさせない理由を暴露される。

「ねえ、光君」

圭子の言葉は、穏やかそのもの。

稲荷寿司をお皿に乗せたまま、楓をブンと押しのけて座った。


光は途端に笑顔。

「あ、圭子叔母さん、お久しぶりです」


すると圭子も笑顔

「でね、京都に来るんだって?」

光が頷くと、圭子が意味ありげな顔。

「でね、伏見にも足を延ばして欲しいの」


光は、素直に頷く。

「はい、伏見稲荷様ですね、いいかも」

そして圭子叔母に尋ねる。

「それでお稲荷様を持っているの?」


圭子は、ニンマリ。

「そうなのよ、最近奈良町にね、変わりお稲荷さんのお店が出来てね」

「金ごまとか、わさび、からし、奈良漬け、梅しらす、枝豆の6種類かな」

「なかなか面白いの、こういうの好き」


その圭子の話に、さすが奈良育ちの巫女が反応する。

華奈

「あ!わかった!お肉屋さんの近く?」

ルシェール

「うんうん、面白いなあと、思ってた」

春奈は、少し引く。

「う・・・炭水化物爆弾?リスク高い」


他の日本人巫女は、「へえ・・・」という雰囲気になるけれど、外国人巫女は興味津々。

キャサリン

「握り寿司だけでないんですね、散らしもあるし、お稲荷さんかあ」

サラ

「ほんと、日本の食文化は多彩ですねえ、見るだけで美味しそうです」

春麗

「ついでに奈良にも行こうよ、また歩きたいもの」


ただ、光と巫女たちに暴言を言い続けていた楓は、「やけに」おとなしい。

そして、その手が、「そろそろと」皿の上の稲荷寿司に動きだす。

しかし、その目的達成は、なかなか難しいようだ。

楓の指先が、稲荷寿司に触れるか触れないタイミングで、スッと皿の高さが変わる。


すると、光が圭子に質問。

「ねえ、圭子叔母さん、楓ちゃんが稲荷寿司食べたいみたいだけど、あげないの?」


その質問に圭子は、キッパリとと答える。

「あげません」

「楓は食べ過ぎ、光君に言われるまでもないの」

「本当に、丼でご飯を食べたいって、言い出しているの」

「光君の先輩の斎藤さんも食べているからって言うんだけどさ」

「柔道選手で体力使う人とね、違うの」

「楓なんて、ただ文句を言って食べているだけだもの」


その言葉で、楓は「半べそ」状態。

全く反論も不可能な感じ。


そして圭子の追い打ちが決定的だった。

「だって楓はさっき、お稲荷さん、四つも食べているの?それとお肉屋さんのコロッケも」


それには、巫女たちも光も、「口あんぐり」状態になっている。


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