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小ホールに問題児登場

小ホールの扉が開けられ、入って来たのは数人の男女の音大生。

一様に派手めの服装、一見すれば全員がロックシンガーのような髪型と雰囲気。

また、とにかく機嫌が悪そうな感じ。


そしてそのまま全員でツカツカとステージに向かって歩きながら、大声をあげる。


「おいおいおいおい!」

「何だ?てめえ!そこのガキ!」

「何でステージにいる?」

「ガキがくるところじゃねえって!」

「早く下りないと、五体無事に帰せねえ!」

「いったい、どこの局がスポンサーって知ってんのか?」


それを見ていた音大生がヒソヒソと言い始める。

「また、竜輝だよ、あのバカ」

「自分は信長気分だとさ」

「大騒ぎで奇抜なことをやれば、受けると思ってる」

「今回の演奏会のスポンサーの民放テレビ局の大幹部の息子だろ?それを鼻にかけ、程度の低い圧力」


その竜輝を大指揮者小沢が立ち上がって止めようとするけれど、内田が止める。

「大丈夫、光君にまかせなさい」

「光君のほうが、修羅場を踏んでいる」


学長も竜輝が気に入らないのか立ち上がっていたけれど、内田がそれを抑えて座らせる。


ステージに向かって歩きながら奇声をあげるのは竜輝だけではない。

連れの女子大生も騒ぎ始めた。

「ほらーーー!さっさと降りなよ、そこのガキ!」

「すぐ降りないと、竜輝に言って、その貧相な指、折らせるよ!」


その隣を歩いていた別の女子大生も騒ぎ出す。

「あらーー?まだ降りないの?指だけじゃ気に入らないの?」

「じゃあ、首でも折ろうか?」

「キャハハ!キャハハ!」


それを聞いていた客席の音大生たちは、苦々しい顔。


「化粧は厚いし、香水はきついし」

「酒臭いし、タバコ臭い」

「小沢先生も内田先生も、学長も何で何も言わないんだろう」


・・・・・


そんなことを不安気に言い交すけれど、巫女たちは「どうでもいい」と言う表情。

春奈

「おそらく光君がコテンパンにするんだけど、どんな手を使うのかな」

ソフィーはすでに録画開始。

「恐喝かな、まあいいや、官邸と文科省、ついでに親御さんのテレビ局・・・いや・・・そこには送らないで、別の局全部に」

「親御さんは、それを後から聞いて驚くだろうねえ、それも面白い」

華奈はニコニコ。

「うん、楽しみ、光さん、目が光っているもの」


他の巫女たちも同じように、にこにこしながら、ステージに向かう竜輝と、待ち構える光を見ている。


柏木綾子は、それでも、一抹の不安を覚える。

「だって、あの竜輝って人の内ポケットに、ナイフ?」

「よく研いだ刃物が見えるもの」

柏木綾子は、とにかく心配でならない表情で、光を見つめている。


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