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光の伴侶の決定

光は首を傾げたまま、楓に質問。

「僕とルシェールの結婚とか何とかの前に、楓ちゃん自身がダイエットしたかったら、すればいいのに」


「うっ・・・」と口ごもる楓に、光は続けた。

「僕は真ん丸の楓ちゃんのほうが可愛い」

「モデル体型みたいなのは、どうかなあと、好きでない」


その光の頭をコツンとしたのは、ルシェール。

「あのね、女の子は、好きな男の人の前では、より美しくなりたいの」

「それを理解してあげて」


光が「そんなものかな」と頷くと、楓はルシェールの手を握り、頭を下げる。

「ふつつかな・・・アホの光君ですが」

「よろしくお願いいたします」

「さっさと無理やり発表してください」


ルシェールは、本当にうれしそうな顔。

「うん!まかせて!」

そのまま、楓をしっかり抱きしめている。



さて、そんな一件のあと、光はホテルを出て、練習会場である教会に入った。

そして、その教会の中にいる巫女たちの、一様にホッとしたような、少し落胆したような複雑な顔を見る。


ここでも首を傾げる光に、圭子叔母が声をかけた。

「おめでとう、光君」

「みんな、納得したよ」

「残念な巫女さんもいる、でも、現世では仕方がないって」


光は、ようやく気がついたらしい。

「ルシェールとのこと?」

巫女全員も、圭子と光の会話を聴き取っているので、一斉に頷く。


光は、少し笑う。

「あのさ、今は大事なコンサートの前」

「それは、コンサートの後に言うよ」

そして、笑っていた顔を引き締める。

「僕は、音楽に集中したい」

「そうしないと、一緒に演奏する人、聴衆に失礼」


その光に、小沢師匠が歩み寄る。

「アンコールの追加曲は、ある程度仕上げたよ」

「後は、光君の振りたい通りに」


光は、小沢師匠に深く頭を下げる。

「すみません、師匠に練習指揮者を任せるなど」

小沢は、光の肩をポンと叩く。

「気にしない、手伝えてうれしい」

「むしろ、僕が仕上げたのを、光君がどこまで高めるか、そのほうに興味がある」


光も、安心したらしい。

笑顔で、小沢師匠と握手。

そのまま指揮台にのぼり、コンサート直前のリハーサルを開始した。


その様子を見ながら、圭子は春奈とソフィーの横に座る。

圭子は春奈の手を握る。

「まあ、わかっていたことだけど、決まっちゃったね」


春奈は、複雑な表情のまま。

「確かに年齢差があり過ぎたかなあ、現世では」

「ルシェールだから、全く心配ないけれど」


ソフィーも複雑。

「ほとんどカスリもしなかったなあ、現世では」

「他の巫女さんも、ルシェールが強すぎて完敗状態で・・・」

「相当強力な、外国人巫女も、ルシェールには対抗できなかった」

「対抗する可能性は、由香里さんと由紀さんだったけれど・・・」

「華奈ちゃんは・・・努力不足で、永遠の妹かなあ・・・」

そのソフィーの分析に、圭子と春奈が頷いている。

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