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橿原神宮、明日香村へ

奈良に到着日の練習も全て終了、翌日の朝となった。

朝食の会場にて、ソフィーが予定を説明する。

「今日は、橿原神宮参拝と、明日香村の散策」

「岩崎様がご用意されたバスにて朝食後、出発します」

「夜は、昨日に引き続き、オーケストラの練習になります」

尚、岩崎義孝、岩崎華、望月梨花、小沢、晃子まで加わるようで、人数も増えている。


ただ、光は、少しキョロキョロとしている。


華奈が光に尋ねた。

「ねえ、光さん、誰か探しているの?全員揃っているよ」


光は、「え?」と首を傾げる。

「だって楓ちゃんがいないよ」


その光の疑問に答えたのは、ルシェールだった。

「楓ちゃんは、明日香村は、歩くことが多いし」

「歩くとお腹が減る、それに面倒なんだって」


春奈は、楓の本音を理解していた。

「これだけ人が多いと、光君を独占できないし」

「奈良在住の楓ちゃんが説明を求められる場合もある」

「しかし、勉強不足の楓ちゃんは、しっかり説明できない」

「そこで恥をかきたくないの」


それでも、ソフィーが光に尋ねた。

「ねえ、光君、楓ちゃんがいないと寂しいの?」

光は、素直に頷く。

「お菓子で釣って、バスに乗せちゃおう」

「いいよ、簡単な説明なら、僕がする」


そんな話がまとまり、ルシェールが楓に連絡。

「ねえ、光君がお菓子くれるって、一緒に行かない?」


その連絡を受けた楓は、「かなりうれしそうな」声。

「はーい!家の前の道路で待ってる!」

「光君のお菓子、楽しみ!」

と、結局はプチバス旅行に参加することになったのである。


さて、その言葉通り、喜色満面でバスに乗り込んできた楓は、「さも当然」と光の隣に、ドッカリと座る。

そして、第一声は、予想通り。

「ねえ、光君、お菓子」


その光が、周囲の注目の中、バッグから取り出したのは、ビニール袋に入った「肌色の小さな玉がたくさん」入ったお菓子だった。

そのままビニール袋を開けて、楓の手に乗せている。

また、楓も、本当にうれしそうに口の中に入れて、食べている。


その様子は、実に意外なようで、ヒソヒソ声が発生。


「・・・あのお菓子は・・・もしかして?」

「うん、昔懐かしい・・・」

「たまごボーロ?」

「楓ちゃんは、あれに釣られて?」

「それを選ぶ光君も・・・うーん・・・」


ルシェールは、「そう言えば」と思い出した。

「あの二人は、ああやって子供の頃は遊んでいた」

「楓ちゃんが言っていたもの、光君からもらえる、たまごボーロは最高に美味しいって」


華奈は、途中から我慢できなかった。

「これも、この三人の伝統なの」と、その手を光の前に、差し出して、たまごボーロをもらっている。

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