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VSアポなし国会議員(2)

光たちと、アポなし国会議員たちの問答を見たのか、通行人たちが集まり始めた。

そして、疑問を口々に唱える


「国会議員だったら、何をしても許されるの?」

「学生たちを睨みつけたり、映像を撮ることも許されるんだ」

「ああやって、官僚を叱りつけるのが偉いと思うのかな」

「官僚に人権はないの?」

「どう聞いても女性の先生と、官僚さんのほうが正論なんだけど」

「国会議員の言うことだから、正論ってわけ?」


そんな騒ぎの中、光は既に取り囲む群衆の後ろに、江戸の大親分の姿を確認。

そして会釈して、校門に向かって歩き出すと、他の巫女も一緒に歩き出す。


その光が、校門前を通り過ぎようとした時だった。

いきなり、若手の男性国会議員が光に怒鳴った。


「おい!そこの男子学生!」

「お前は、ここの学園の音楽部の指揮者か!」

「そこに止まれ!話がある!」


光は、面倒そうな顔。

「何故?ところで、貴方は誰?」

「これから授業があるんです」

「その前にホームルームがあって、あと10分しかないんです」

「僕も忙しいので、また時間を改めて」


光の反応が、相当気に障ったらしい。

若手の国会議員は、怒りを我慢できなかった。

「うるさい!この小僧!」

「俺は国会議員だ!大西と言う!知らんのか!」


光は、無表情で反論をする。

「知りません、国会議員なんて」

「まあ、国民の幸福のために働くのが、国会議員なのかな」

「でも、こうして、突然やって来て、理由も言わずに僕たちが学園内に入るのを邪魔している」

「僕たちが、学園内で勉強することが、国民の幸福に何の影響があるんですか?」

「国会議員は、学生の勉強を邪魔するのが仕事なんですね」


その光の反論に、ついに大西議員が切れた。

「何だと?この小僧!」

「国会議員をなめるな!」

「これは国権の最高機関、立法府の議員に対する愚弄だ!」

「もう許せない!」

と、光の首を掴んでしまう。


その大西議員に続いて、中年の女性国会議員も騒ぎ始めた。

「私も知っているよね、辻村です!」

「あなたたちの学園の演奏会に問題があるから来たの!」

「たかが高校生の楽団の演奏会に国費を使って会場を押さえるとか、警備するとか、全世界にネット中継するとか!」

「何を政権に言われたの!」

「そんなことをして、どうして政権に協力するの!」

「しかも国連から宗教界まで、巻き込んで!」

「いったい、あなた、何様のつもり?」


ただ、この国会議員たちの言動には、取り囲む群衆が疑問の声があがる。


「国会議員なら、高校生の首を絞めてもいいの?」

「それを止めない他の国会議員たちも、とんでもない」

「国会議員なら一般市民にも暴言も暴行も許されるの?」

「国民も世界の人も、宗教界の人も、ここの学園のデモ演奏を聴いて、相当前評判が高いのに」

「それを、つぶそうと言うの?」

「何でも反対、何でも政権打倒なの?高校生の首を絞めてまで?」


そんな疑問の声が大きくなり始めた段階で、江戸の大親分がゆっくりと歩き始めた。

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