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傲慢新聞記者の結末

傲慢な新聞記者の表情が、焦り顔に変わった。

「岩崎さん、誰に電話を?」


しかし、岩崎義孝は、新聞記者を手で制し、電話を続ける。


「おい、今、お前の社にも、動画が届いているだろう」

「そうだ、お前の社の記者だ、見ているか?」

「どんな教育をしているんだ!」

「アポも取らず押しかけて」

「相手の事情も聴かずに取材を強要して、その上、相手を罵倒する?」

「それが、お前の社の取材方法か!」

「ああ、俺は怒った」

「もう、お前の新聞社には、一切広告は差し止め」

「系列テレビ局のスポンサーも全部降りる」

「それから、経済団体の会議でも、これを話す」

「ああ、事情説明なんて、いらん」

「お前との話は、これまでだ」


岩崎義孝の怒りは、すさまじかった。

話を聴き取っていたソフィーが「何もそこまで」と声をかけるけれど、岩崎義孝は首を横に振る。

「だって、そうじゃないですか」

「今回の演奏会が、地球にとって、どれだけ重要なのか」

「それを、こんな新聞記者とか、新聞社に傷をつけられたくない」

「日本のマスコミの程度も諸外国に知られるし、国際的な批判も浴びるのは必至なんです」


さて、その新聞記者のスマホには、新聞社本部から早速連絡が入ったらしい。

「あ・・・すみません、何とかします・・・」

「申し訳ございません、私の責任で・・・」

「はい、岩崎様には、しっかりと謝罪を」

と、そこでスマホを切り、既に歩き出している岩崎義孝を走って追いかける。


ただ、その追いかけ方法に問題があった。

廊下を歩いている学生にぶつかっても、頭を下げずに、逆に怒鳴りつける。


「おい!邪魔だ!」

「道を開けろ!このガキども!」

「俺の仕事の邪魔をするな!」

「低劣学園として、報道しまくってやる!」


ソフィーと岩崎義孝が振り返った。

そして呆れた顔。

ソフィー

「あんた、まだ、わからない?」

「まずは不法侵入、それから暴行、恐喝だよ」

岩崎義孝

「何で追いかけてきた?俺に謝るため?」

「その前に、学園に謝れ!」

「それから、お前が突き飛ばして、暴言を吐いた学生に謝れ!」


しかし、焦ってしまって興奮している記者には、その言葉が耳に入らない。

「いえいえ、わが社の幹部からは、まずは岩崎様に謝罪をせよと」

「ですから、広告料の差し止めだけは、勘弁願います」

「ぜひ、お考え直しを」

「長年の関係ではないですか、お互い、持ちつ持たれつで」


岩崎義孝は、本当に難しい顔になった。

そして、「断る」と強めに言った時だった。


とうとう、傲慢新聞記者が切れた。

「この!てめえ!」

思わず、岩崎義孝の首を掴もうとした時だった。


「はい!暴行現行犯」

ソフィーは、一瞬で傲慢新聞記者を取り押さえ、即座に手錠をはめている。

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