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巫女の想い、華奈の想い

光は、晃子とのリサイタル、その後の食事、官邸からの突然の呼び出しと阿修羅への変化、それに加えて楓まで突然家にやって来たことから、結局疲れてしまった。

プラネタリウムでの鏡に対する呪文の行の後は、自分の部屋に戻り、あっさりと眠ってしまった。


いつもなら不満を口にする巫女たちも、今日の光の一日を考えれば、何も言えなかった。

そして、楓が家に来た時の恒例、大広間での「巫女の雑魚寝」となり、様々な話し合いとなる。


「光君、メチャ、泣きそうな顔やった」

春奈

「疲れもあるけど、たくさんの政治家とか宗教家の程度の低い心を見てしまったからだよ」

キャサリン

「この地球が壊れるかもしれない時にまで、私利私欲に走る心を捨てきれない」

由香里

「鏡業者が儲かるとか、競わせて賄賂を取るとか」

サラ

「鏡設置場所を観光地にして、建設業者とか観光業界からの賄賂を取るとか」

由紀

「不用意に近づいたら、治安維持を目的に逮捕とか、ひどいのは射殺とか」

柏木綾子

「鏡に政治家とか宗教家の名前を刻印するって、その人のお手柄にしたいのかな、実に狭量」

ルシェール

「いずれは、それに反発する人たちが、鏡を爆破するとか、そんなことを行う、それも避けられないと、光君は感じ取った」

春麗

「それが、光君には悲しかった、人の心のあさましさが辛かった」

ソフィー

「そのための万が一の保険として、プラネタリウムにも鏡を設置」

「私たちの神霊の呪印を刻ませる」


「やがては、マスコミにリークされる」

「そして暴動も起きるのかな」

サラ

「その暴動を治安維持名目で弾圧、相当の死人と負傷者」

「血まみれになって震え、泣く子供がまた・・・」

由香里

「祈りとともに、高額なお布施を強要する聖職者も出て来る」

「高額なお布施が払えない人は、地獄に落ちるとか」

「お前がお布施を払わないから、地球は壊滅するとか、根拠のない罵倒を繰り返す」

春奈

「あとは厭世観かなあ、結局地球は壊滅する、だから何もしない」

「あるいは犯罪を犯してでも、一時の暴飲暴食に走る」

由紀

「神社とか寺院の破壊活動も起きるかもしれない」

「そんなものは、信頼できない、結局地球は壊滅するのだからと言って」

ソフィー

「人の信じる思いを、神霊は力にする」

「その信じる思いがなければ、あっても弱ければ、神霊が作り出す力も弱い」


華奈は、恐ろしくて、ずっと黙っていた。

心に何度も同じことを思う

「誰が何を言っても、私は光さんが好き」

「光さんと一緒にずっと生きたい」

「ダメな私だけど、呪文も間違うけれど、光さんを思う気持ち、一緒に生きたいと思う気持ちは、絶対に誰にも負けない」

華奈は、雑魚寝をする大広間を出て、光の部屋に向かった。

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