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楓が押しかけて来た理由 プラネタリウムにも御神鏡

春奈は、楓の超ニンマリ顔が気に入らなかった。

そして、皮肉女春奈の本領発揮となる。

「ふーん・・・ここに泊って、斎藤君と東京でデートなの?」

「まあ、楓ちゃんが考えることなんて、そんな程度だよね」

「そして、合格祝いとして、美味しくてカロリーが高いものを食べまくる」

「斎藤さんと楓ちゃんの、熊のプーさんコンビの復活だよね」

「この光君も世界も超大変な時期にねえ・・・」


ソフィーの顔も厳しい。

「いい?楓ちゃんも巫女のはしくれでしょ?」

「阿修羅の言葉が耳に届いたよね」

「光君も私たちも、超忙しいの」

「楓ちゃんも、本当は忙しいはずでしょ?」

「春日様の神殿に籠って、御祈祷するんじゃないの?」

「それを、ほったらかしにして、自分だけデートして、暴飲暴食をしまくるの?」

「マジに不謹慎の極み、大天使ガブリエルの力で、奈良に強制退去も出来るんだよ、しようか?」


さすが年増巫女二人の口撃にタジタジとなる楓と思ったけれど、何故か落ち着いている。

胸を張って切り返す。

「春日様の神殿祈祷は、年輩巫女がするからいいの」

「私は、母好子の許可をもらって、東京に来た」

「つまり、光君を支える一人になるため」


そこまで言って、光の顔を見る。

「もう離れて光君を心配するのが嫌なの」

「落ち着かないし、そんな状態で、まともな御祈祷なんて出来ないもの」

「そこで呪力が乱れても困る」

「とにかく地球が壊れるかもしれないほどの厳しい戦い」

「そんな時に、光君と離れていたくない」

「私、光君のいとこだよ、一番わかるもの、光君の辛さが」

「だから来たの、それをわかって」


光は、結局泣き出してしまった楓の手を握った。

「楓ちゃん、ありがとう」

「すごく助かる」

「一緒に戦ってくれるなんて、うれしい」


楓は、シュンとなった。

「ごめん、また騒いで」

「離れていると、寂しくて仕方がなくて」

「顔を見ると爆発するの、許して」


そんな一幕が終わり、光はようやく立ち上がった。

そして、リビングにいる全員の巫女に声をかけた。

「プラネタリウムの設備の中に、御神鏡をセットしてある」

「その御神鏡の中に、それぞれの御神霊の呪印を刻んで欲しい」


光と巫女たちは、屋敷屋上に設置されたプラネタリウムにのぼった。

光が、壁のスイッチを押すと、確かに美しく磨かれた大きな鏡がプラネタリウム設備の中心部の床から登場、輝き始める。


その大きな鏡に向かって、巫女たちは一斉に、それぞれの呪文を唱える。

鏡は、凄まじいほどの呪文の大合唱を受けて、さらに輝きを増す。


そんな呪文の大合唱がしばらく続いた。

光が、手でそれを制して、巫女たちにまた、声をかけた。

「毎朝、これをして欲しい」

「これは、万が一のための保険」


その光は、実に悲し気な顔になっている。


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