西伊豆の温泉旅館にて 光と叔母奈津美の裏の会話
東名高速道路でのトラブル解決後は、サロンバスはスムーズに進み、午前中には、西伊豆の豪華な温泉旅館に到着した。
この温泉旅館は、光の叔母奈津美が女将であり経営者である。
また、事前に声をかけてあった、由香里の父の江戸の大親分、ニケも到着済み。
尚、女性たちは、早速、富士山と駿河湾を一望できる大露天風呂に入り、御満悦状態になっている。
そんな中、光は、岩崎義孝、江戸の大親分と、叔母奈津美と話をしている。
光
「生贄事件と諏訪大社でのコンサート、それから東名の煽り運転男は対処したよ」
岩崎義孝
「どれも、実に素晴らしい、ほれぼれするような力を見せてもらった」
「特に諏訪大社のコンサートは動画サイトで全世界中継」
「相当なアクセス数になっている」
江戸の大親分
「俺も御一緒したかったなあ、面白そうだった」
「生贄事件も俺が乗り込んで一喝したかったなあ」
「東名煽り野郎だって、思いっきり怒鳴りつけたかった」
叔母奈津美は、岩崎義孝と江戸の大親分に頭を下げる。
「叔母として、皆さまに感謝いたします」
「いつも光を支えていただいて、本当に有難いことです」
「まったく光君も、いつの間にか、こんな凄い人たちを味方にして」
「光君も成長した、うれしいなあ」
さて、光と叔母奈津美は、心の中では、テレパシーにて、また別の話をしている。
光
「カルラ神の背中に乗って、大隕石を見たよ」
「大きくなっている」
「それだから、邪宗集団も気がついたのかな」
奈津美
「相当の危険とは思うけれど、大丈夫?」
「そろそろ地球にも、少なからず影響は出るのかな」
「何しろ破壊をしない限り、太陽光線は、やがて遮られるし」
「完全日食どころか、真っ暗闇の地球が続く」
「重力バランスも崩れ、地震とか火山の噴火も、相次ぐ」
「もちろん、そのまま大隕石が衝突すれば、当然、地球そのものが破壊される」
光
「阿修羅君が言うのには、対策は出来ている」
「問題は、その対策を邪魔しようとする人間たち」
「不用意に不安を煽りたがる人、その不安を悪用する人たち」
奈津美
「都内の滅びの教団とか、諏訪神社の生贄騒動も関係するのかな」
光
「あんなのは、すごく軽いから、ほぼ人災で」
奈津美
「ねえ、光君、私たちは何をしたら?」
光
「とにかく、人の心の混乱が拡大するのを防ぐ手段が欲しい」
「そのための祈りとか、信心とか信仰とか、冷静な判断とか」
奈津美
「難しいよね、本当に」
光のテレパシー声が強くなった。
「いざとなったら、阿修羅君が動く、無理やりに見えて、そうは思えない方法で、おそらく誰も想像していない御力を使う」
表面的には、三人の男性と叔母奈津美の会話、その裏では光と叔母奈津美のテレパシー会話は、女性たちが露天風呂から出てきた時点で終わった。
その後は、大広間での豪勢かつ新鮮な魚介類中心の大宴会。
それに光のピアノと巫女たちのコーラス、江戸の大親分のR&Bボーカルまで加わり、大騒ぎの一夜となった。




