大財閥当主と岩崎華の状況、田島源一は大財閥を辞す、光たちは超高級懐石に
一方、光と巫女たちに、すっかり面子をつぶされた上に、暴行事件の当事者となってしまった大財閥の当主と孫の岩崎華は、相当な落胆。
岩崎華
「田島が首を絞めた高校生の男の子が『大きな問題にしない』と言ってくれたからいいけれど、そのままだったら・・・」
大財閥の当主
「あの公安の女性が『マスコミは当分抑えます』と言ってくれたようだけれど、いつまで持つか・・・大事になれば当主の座を追われかねない」
一方、常に心に反して悪役をこなしたり、財閥一族の欲求不満のはけ口となっていた田島源一は、サバサバとして、財閥の使用人を去る決意を固めた。
その理由となったのは、突然柔道界の超大物の坂口から連絡があったため。
「おい、田島、そんな財閥やめろ」
「俺が新しい仕事を紹介する」
「どうせ借金がらみで拾われただけだろ?」
「とっくに返し終えただろ?」
「あんな程度の悪い財閥のボンボン当主とガキ娘に頭下げなくてもいいだろう」
田島源一としても、全く異論はない。
銀座の楽器店で、光の首を絞めたのも、お嬢様の岩崎華がそうしないと屋敷に帰ってから、鞭でひどく打つため。
楽譜を買うだけの高校生に、何の恨みも悪意もない。
田島源一は、警察署を出た足で、坂口の事務所に向かうことになった。
さて、光と巫女たちの一行は、由香利の父(江戸の大親分)の子分の運転するキャデラック数台に乗り、超シックな高級懐石料理店に。
まず、春奈が大興奮となった。
「あらーー・・・和服で来たかったなあ、シットリと」
華奈もドキドキしているようす。
「何か、場違いみたい、私たち・・・大人が来るところでは?」
「私、お母さんとでないと来れそうにない」
そんな華奈に柏木綾子。
「華奈ちゃん、和服の着付け、教えようか?」
「うっ」と顔を赤くする華奈を見た由香利。
「うーん・・・柏木綾子ちゃんの洞察力はすごいなあ、華奈ちゃんは天然過ぎ」
由紀は、苦笑い。
「華奈ちゃんも巫女なんだから、和服ぐらいは自分で着られないとね」
ルシェールはホッとした顔。
「よかった、フランス人で・・・でも着付けは習いたいなあ」
キャサリンもルシェールに反応。
「そうですねえ、キチンと着こなしたいものです」
サラは、少々諦め顔。
「うーん・・・最近、胸が成長していて、締め付けると苦しい」
「ランジェリーの段階で苦しい」
春麗は、そんなサラをうらやましそうな顔。
「そうね、確かに立派、いつもお風呂でプルンプルンして、女性の私でも目が吸い寄せられる」
「分けてもらいたいくらい」
そんな話をしていると、受付で様々、話を聞いて来たソフィーが戻って来た。
そして全員に報告。
「何でも、大きな露天風呂があるみたい」
「お食事は、その後に、汗を流してから」
「浴衣の用意もあるとかです」
ソフィーの報告が終わると同時に、巫女全員は満面の笑顔で立ち上がる。
・・・が・・・光は、やはり無粋な光だった。
「やだ、超面倒」
そのまま立派な畳にゴロン、そのまま寝息を立てている。




