明日は一転、駿河湾への計画。
光の柏木綾子へのやさしさは、特上バーベキューに夢中になっていた巫女たちが驚くばかりになる。
春奈
「うーん・・・まさか、綾子ちゃんは、巫女さんたちの中で地味な存在だったけれど・・・案外強いなあ」
ソフィー
「立派な有力候補さ、巫女力も強い、控えめだけど芯が強い」
年増巫女は、冷静な判断になるけれど、候補者世代巫女は複雑。
ルシェール
「力が強いとは思っていたけれど、簡単に光君のハグを獲得してしまった」
由香里
「まあ、諏訪様の御力が強い土地だけど、私もハグしてもらうには、相当時間がかかったのに」
由紀
「確かに呪力も強いし、控えめで、いい感じ。本気出さないと光君取られちゃう」
華奈は、顔が真っ赤。
「あーーー・・・どうしよう・・・また?私は最後尾なの?ずっと妹かなあ」
キャサリン
「ついに本領発揮ですね、実は底知れない力を持つ綾子ちゃん」
サラ
「控えめでいる間にゲットしようと思ったけれど、また複雑になる」
春麗
「もう、ライバルが多過ぎ、大混乱だよ」
・・・しかし、そんな心配も、ほどなく終わった。
光は、サラリと綾子へのハグを解き、望月梨花のところに向かう。
そして、その話題は現実的なもの。
「ねえ、梨花さん、明日の予定って何だっけ」
望月梨花は、即答。
「はい、とりあえず大問題と予定スケジュールはこなしましたので、後は適当に観光でもしながら都内へと」
「もし、光さんが行きたいところがあれば、おっしゃってください」
すると光は恥ずかしそうな顔。
「全然、ルートを変えるけれど、駿河湾が見たいなあと」
「山梨から静岡県に出て」
「富士山も見たいなあと」
その光の提案に、岩崎義孝がすぐに乗った。
「ああ、それはいいですね、せっかくの三連休、ゆっくりしましょう」
「光り輝く駿河湾、そして霊峰富士」
「美味しい魚と温泉、最高ではないですか」
春奈が光に声をかけた。
「じゃあ、光君、どうせなら伊豆の奈津美叔母さんに連絡して見たら?」
「奈津美叔母さんの温泉とお料理最高だし、喜ぶと思うよ」
ソフィーは、ノロマな光などは待っていない。
さっそく奈津美に連絡を取っている。
そして、奈津美の返事も即答。
「あはは、光君たちが信州に出かけるって聞いたからさ、例の別棟を空けてあるの」
「一泊してって、光君とも、積る話もしたいの」
「ついでにニケも呼ぶかな」
「あ!江戸の大親分も!」
光は、とんとん拍子に話が進み、逆にアセリ顔。
「そこまでだと、早く出発になるし、朝寝坊できない」とつぶやくけれど、華奈が光のお尻をパチン。
「どうせサロンバスで寝ているだけでしょ!このナマケモノ!」
話が上手にまとまり、特上バーベキューは、大笑いに満ちている。




