冷却光は全てを脱がされ、温泉に。
阿修羅に変化し、そのままカルラ神の背中に飛び乗った光がヘリコプターに戻って来たのは、八ヶ岳の岩崎山荘に降りる直前だった。
そして、相当寒い思いをしたのか、全身がガタガタと震え、顔も真っ青になっている。
ルシェールが、すぐに華音を抱いて温める。
「マジに冷却状態、すぐに温泉に入れたいけど」
春奈は阿修羅に文句をポツリ。
「光君を殺す気?全く血の気がない」
ソフィーは難しい顔。
「阿修羅としては、その必要があった」
「何しろ地球の運命がかかっているから」
「でも、光君の顔を見る限り、実に危険」
「蕎麦ぐらいしか食べていないし、演奏もした」
「カロリー摂取以上に消化したことは事実」
ヘリコプターは地上に降り、岩崎山荘に全員が入った。
他の巫女も、光は「まずは温泉に」とのことで一致したけれど、一つ問題があった。
それは、「誰が光の服を脱がし、裸にするのか」ということ。
「恥ずかしいなんて、ためらっている場合ではない」と思う全ての巫女の中で、その役を獲得したのは、由香里だった。
ルシェールから、グイッと光の身体を奪い取る。
「墨田川亡霊事件の時に、浄化温泉で一緒に入ったことがあるの」
「その時に、お互いに全部を見ているから、万が一気がついても、光君は慌てる可能性が少ない」
これには、温厚なルシェールはムッとするけれど、簡単に奪われたウカツさも恥ずかしい。
「わかりました、じゃあご一緒に」と最低限の抵抗を見せ、大風呂に向かう。
そんな二人に先を越された巫女たちは、様々。
春奈は肩を落とした。
「由香里さん、強いなあ・・・ルシェールを時々圧倒する」
「本気になったら一番強いかも、さすが伊勢様と住吉様の御力だよ」
ソフィーは苦笑。
「おっとりルシェール・・・でも、私たちのほうが、もっとノロマ」
由紀は泣き顔。
「私だって、裸で抱き合ったのに」
「これは乱入しないと、気が済まない、眠れなくなる」
キャサリンも乱入を考えている。
「最近、バストアップしたから見せてあげたい、驚く表情が楽しみ」
サラは落ち着いている。
「まずは、誰がどうのこうのではないの、まずは光君を温めること」
「温まったら、この胸で包むだけ」
春麗は、華奈と柏木綾子、岩崎華に声をかけた。
「いい?私たちには私たちなりの魅力があるの」
「胸が大きいだけが女の魅力ではないから」
その声かけに、完全同意らしい。
華奈、柏木綾子、岩崎華は深く頷いている。
さて、そんな状態で、光は当初は意識朦朧の中、由香里とルシェールに全てを脱がされ、露天風呂に入った。
それでも、信州の名湯、少しして意識が戻って来たようだ。
「あれ・・・温かいや」
「温泉なの?ここ」
「へえ、いつの間に?」
「でも、服を脱いだ記憶がない」
「それで・・・え?」
蒼いばかりだった光の顔が、いきなり赤くなった。
まず目の前には、由香里とルシェールの豊かで美しい胸。
そして恥ずかしくて目をそらすと、あちらこちらに・・・となっているのだから。




