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羊羹を食べられないソフィーと光たちの対応

さて、Jプロダクションのしつこいスカウトを退治したソフィーは苛立っている。

その理由は、光たちが自分には告げずに、向かいの羊羹店で「のん気」にしていること。

「マジで気に入らない、あいつら」

「私が仕事しているのを知っていながら、超高級羊羹と抹茶?」

そう思うと、とにかく羊羹が食べたく抹茶が飲みたくて仕方がない。

ソフィーは、事件の後始末は地域の警察官に頼み、向かいの羊羹店にダッシュすることになった。


しかし、悪いことは重なるものである。

ソフィーがほぼ「お怒り顔」で、二階の喫茶店への階段をのぼると、光たちがゾロゾロと降りて来る。


その上、光の「寝ぼけた言葉」がまたひどい。


「ああ、ソフィー、忙しそうだったから、みんなで羊羹とお抹茶をいただいていたの」

「僕は、栗羊羹にした、少しコクがあるよね、マジで美味しかった」

「みんな食べ終わったよ、さあ、次の場所に行こうよ」


ソフィーは、その「寝ぼけ言葉」に、本当に怒りを覚えた。

「このアホ!竹刀持っていたら、思いっきり脳天を打ちたい」

「その後はシュンとさせて、1時間のお説教」


ただ、ソフィーの怒りは、全く実を結ばない。


春奈が、またニンマリと皮肉気味。

「あらーー!ソフィー!お勤め御苦労さま」

「さすがに美味しかったなあ、超名店だけあるわねえ」

「でもね、ここで問答していてもね、他のお客様の邪魔になるの」

それに小娘の華奈まで続く。

「ねーーー!ソフィー!邪魔!」

「これから由香利さんの一家の超高級懐石でしょ?」

「ソフィーも行くんでしょ?警護として」

「さっさと行きましょうよ、ねえ、光さん」


光は、いつものボンヤリ顔。

他の巫女たちは、「早く懐石を食べたい」との表情が顔にあらわれている。


ソフィーは、この時点で、羊羹と抹茶はあきらめた。

「いいわよ、この薄情者連中」

「あとで、絶対仕返しする」

「特に光君は、お説教の時間を2時間にする」

とブツブツ言いながら、のぼりかけた階段をおりる。


階段をおりたところで、文句顔のソフィーの肩を、由香利がポンと叩いた。

ソフィーが由香利に振り向くと、

由香利

「はい、親父と私から、いろいろお礼です」

と紙袋。

中身は、この羊羹店でも最も値段の高い羊羹と和三盆の干菓子、高級抹茶まで入っている。


ソフィーの文句顔は、いきなり満面の笑顔に変わった。

「あらーーー!さすが江戸の大旦那と大姉御、やることが違いますねえ」

「由香利さんも、江戸の大旦那も大好き」

「ねえ、全く気が利かないアホの光君と、巫女さんたちとは大違い」


その満面の笑顔で歩きだしたソフィーを見て、また春奈が皮肉。

「うーん・・・あれは、職務上よろしくないのでは?」

「ねえ、国家公務員として・・・」

その声が聞こえたのか、ソフィーの肩がビクッと動いている。


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