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孤児院の事後計画 意外?光の蕎麦打ち。

一方、突然の施設長逮捕などの激震に見舞われた孤児院に、早速救いの手が差し伸べられた。

日本でもトップクラスの財閥当主岩崎義孝の手配も速かったようだ。

光たち一行が去った1時間後には、岩崎義孝の企業グループの中で、児童教育を専門とするスタッフや弁護士、心身の健康面をチェックする医師や看護師が、総勢30人も到着し、施設内にいた全ての孤児への対応を開始したのである。

また、新施設長も岩崎義孝の企業グループから、大ベテランが派遣され、早速陣頭指揮が始まっている。


さて、柏木綾子の祖母の家で、蕎麦打ち体験をする中、光は岩崎義孝に感謝の気持を伝える。

「岩崎さん、助かりました」

岩崎義孝は笑顔。

「いやいや、光君には相当救われているので、恩返しをしたくて」

「ようやくです、これぐらいでは足りません」

光は厳しい顔。

「最初は、怖い話になるかと思ったけれど、結局は程度の低い私利私欲の話」

岩崎義孝も顔が厳しい。

「それでも、放置すれば、子供が犠牲になったかもしれませんね」

光は頷く。

「地震や台風被害が起きるたびに、神の怒りとして、怪文書を流して」

「見せしめに、子供を犠牲にすることも、あるかもしれない」

「その恐怖を見せて、さらなる資金集め、無戸籍の子供を集めるかもしれない」

岩崎義孝は、光に提案があるようだ。

「光君、施設も全面的に体制を変えるんだけど」

光が岩崎義孝の顔を見ると、岩崎義孝は恥ずかしそうな顔。

「どうもね、その記念に、お地蔵さんの立像と、聖母マリア様の立像を建てたくてね」

光は、笑顔になった。

「その像の周りには花壇とか?」

岩崎義孝は、笑顔のまま、信州の青空を眺めている。


光と岩崎義孝が、そんな話をしていると、柏木綾子が二人に蕎麦を持って来た。


柏木綾子

「本当にありがとうございました、心を込めて打ちました」

光と岩崎義孝が、その蕎麦を食べると、昼に食べた蕎麦とは比べ物にならない。

「綾子ちゃん、さすが名人」

岩崎義孝は、巫女たちに指導をする綾子の祖母を見る。

「実に動きがスムーズ、あれだから美味しい蕎麦が打てる」


しかし、特に華奈は光が話しているばかり、食べるばかりが気にいらない。

その上、綾子に膝枕をされ、にこやかに話しているのは、もっと気に入らない。

とうとう、大声で光を呼んでしまう。


「光さん!こっちに来てください!」

「どうして、そうナマケモノなんですか!」

「妻に恥をかかせないでください!」


光が、面倒そうに華奈のところに行くと、綾子もついて来る。

そして華奈に厳しい指摘。

「華奈ちゃんの打った蕎麦って団子みたい」

「水も足りないし、ボソボソ、何を聞いていたの?」

「自分で失敗したから光さんを呼んだだけでしょ?」


結局、口を「への字」にする華奈であったけれど、光は華奈の隣で、「父さんに仕込まれた」などと言って、スンナリと蕎麦を打ち始めた。

そして、実に意外であったけれど、綾子の祖母が感心するほどに、動きにキレがある。

また、出来上がった蕎麦も、腰がしっかりとした美味なもの。


これには、特に巫女たちが、呆気に取られている。

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