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尋問開始

孤児院会議室において、孤児院の施設長と田中議員、そば店の店主に対する尋問が開始された。


ソフィー

「ここの孤児院で行政機関に提出している収容人数より、今日見たところ、相当多い子供がいるのですが、その理由は?」

施設長は田中議員とそば店の店主の顔を少し見て、小さな声。

「え・・・たまたま・・・今日だけ、近所の子供たちを」

別の警察官が首を傾げる。

「いや・・・子供たちに聞いたところ、とても近所ばかりではない」

「言葉が博多弁、関西弁、茨木とか、秋田弁もある」

施設長の顔が蒼くなった。

「ですから今日来たばかりで・・・」

ソフィーの表情が厳しい。

「今日来たばかり?それが近所で?日本各地の方言?意味がわかりません」

田中議員が口を開く。

「いや、そういうことも全くないとは言い切れない、そんなことが重なったのでは?」

また別の警察官が不審な目で、質問と要求。

「たまたまにしては、人数超過分の子供が、全て15歳の男の子の数と一致する」

「実際に本当に近所の15歳の男の子たちなのですか?」

「その男の子たちの名簿を見せて欲しい」

その質問と要求に、施設長は、また田中議員とそば店の店主を見る。

「いえ・・・ですから、今日来たばかりで、名簿が出来ておりません」

ソフィーが質問。

「子供たちに聞いた警察官によると、ここに来たのは一週間前って子供が何人かいるけど?」

「それと、全てが学校に通ったことのない、字も書けない、読めない子供たちばかりだとか」

「姓も知らない子がほとんど、その理由は?」

「もしかして、そういう子供たちを集めたの?」

「それを定員数を超えて、何の目的?」


会議室に国税の調査官が入って来た。

そして施設長に質問をする。

「施設長、金庫内に億を超える現金が発見されました」

「施設の帳簿と合致しません、理由を説明できますか?」


施設長は、震えるばかり。

「あ・・・それは・・・子供たちを受け入れる際に・・・」

「まだ、帳簿に、記載していないだけで、いずれは記載します」


しかし、国税調査官は納得しない。

「いや、ここの施設の全ての領収書を確認したのですが、その現金に関する領収書は存在しません」

「その領収書はどこに?あれだけの現金があるのです」

「領収書を発行しないのですか?」

「それから、現金を支払った相手は誰?」


この時点で、施設長は全く答えられなくなった。

ただ、肘で隣に座る田中議員をつつくばかりになっている。


今度は別の警察官が、紙を一枚持って来た。

長野県警の警察官のようで、首を傾げている。

「施設長のパソコン内に、これはお触れ文のPDFですか?」

「文書名は、諏訪神社の御頭衆宛て」

「差出人は、人名を書いていない、ただ、『守矢神長』とのみ」

「相当な崩し文字のお触れ文で、内容は、諏訪の神が、お怒りと」

「そのお怒りを鎮めるには、まやかしの生贄では足りない」

「時期は異なるが、古来の儀式にのっとり、神使いを復活せよと」

「それが満たされない場合には、恐ろしい神罰が下ると」

「確かに諏訪大社に古来から関係が深い氏子、つまり御頭衆に、確かに神使いを復活するとのお触れが、突然回ったとの情報は、県警でも掴んでいました」

「確か、古代の神使いは、15歳の男の子でしたよね」

「それを復活させよとの原本が何故、施設長のパソコンに?」


この質問で、施設長、田中議員、そば店の店主は、激しく震えている。


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