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「悪者情報」と闇社会。光の慎重とルシェール。

ソフィーは、タブレット端末に入った政治家情報を岩崎義孝に見せる。

「政治資金収支報告書を見ると、ここの1年で献金が異常に増えています」

「それから彼の関係者が園長をしている孤児院の人数も、公表した限りの資料上で、政治献金の増加に比例して増えています」

「おそらく何らかの異例の事態が発生していると想定できます」


岩崎義孝は厳しい顔。

「国会質問を見ていると、とにかく頑迷なタイプ」

「総理や大臣がわかりやす説明をした場合でも、理解できないと自説を主張し続けるのみ」

「それを自分の党の議員から指摘されても、聞く耳を持たない」

「細かな揚げ足取りは、得意」

「しかし、政策の大局観とか、その政策を採用した理由は理解しない」


ソフィーは、その政治家の履歴を更に詳しく見る。

「元々は、長野の寒村の村長の家系」

「諏訪様の御頭衆の家柄」

「その村が親の時代に合併して、親が町長になった」

「元々、知名度や地盤は固かった」

「親が町長の時代に、孤児院を立ち上げ、園長に」

「今は、その従兄が園長になり」

「自分は国会議員です」


岩崎義孝は腕を組んで考える。

「気になるのは、話を聞いた戸籍の無い子供たちを、どの方法で集めたのか」

「おそらく、生贄の身代わりにする考えなのだから、本来の生贄の親も絡んでいると思うけれど」

「簡単に集められる話でもない」

「その世界に通じている人、あるいは団体でないと、集めることなど無理だ」

「そうなると、反社会的団体が絡んでいる可能性が高い」

「いわゆる闇の世界、暴力団とか極道の世界」


ソフィーも、分析を始める。

「その世界の男女から生まれて、まともに出生届を出していない子供を、その孤児院に差し出す」

「後ろめたさや、別れづらさもあるけれど、抗争激しい闇の社会では、まともに養育は困難、親も諦めるしかない」

「結局は捨て子にするよりは、孤児院のほうが、まだ救いはある」

「その闇社会では、そういうシステムが出来ているのかな」

「悪徳孤児院は、ヤクザの親分から口封じで金をもらってみたり、育てた子供はヤクザに差し出す、女の子なら歓楽街に売り飛ばす」

「特に戸籍が無い子供は、好都合」

「それが、今回の神使い騒動で、孤児院の15歳の身代わり男の子を身代わり生贄にすれば、おそらく大金が御頭衆から入る」

「そんなシステムなのでしょうか」


ずっと眠っていた光が口を開いた。

「岩崎さんもソフィーも、あくまでも推測の状態」

「とにかく、そこの現場で自分の目で見ること」

「慎重に対応するべき」

「すごく根が深い問題と思うよ」


光は、窓から外を眺めてポツリとつぶやく。

「これは、お地蔵さんの出番かな」

「それと・・・」


ルシェールが反応した。

「任せて、マリア様も動いています」

「自分の金儲けや権力維持のために、子供を殺すなんて、ヘロデ王にも匹敵する悪事と嘆いています」


サロンバスは既に八王子を過ぎ、少しずつ信州に近づいている。

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