学園長のスクールアイドル全面応援申し出、音楽部顧問祥子と光
阿修羅としての話はそこまでだった。
阿修羅から再び光に戻ると、学園長。
「今回の文化祭も楽しみにしています」
「特にスクールアイドルとかは、元気づけられます」
光は柔らかく微笑む。
「音楽にしても、様々な芸術、文化にしても、人の心を自然に浮き立たせるのは素晴らしいと思うのです」
「無理やり押しつけではないので」
学園長も頷く。
「光君の絡む演奏は、どれもそうなります」
「いつも聞き惚れます、歌心というのかな」
光は恥ずかしそうな顔。
「それでは音楽室に行きます」
「みんな待っているので」
学園長は笑顔。
「スクールアイドルの練習も、体育館もありますし、講堂もあります」
「上手にどんどん使ってください」
「衣装費用も学園で出します、遠慮せずに作ってください」
光もうれしそうな顔になった。
「そうなると、デザインは芸能の神の弁財天様でしょうか」
学園長は、ますますの笑顔、クールサインまで出している。
そんな話を終えて光は音楽室に入ると、音楽部顧問の祥子が手招き。
「ねえ、光君、音楽部のコンサートは、マーラーの復活だけ?」
光は、素直に頷く。
「相当の練習を必要とする難曲ですし、復活だけにしたほうが、引き締まるかと」
光の意見には、祥子も納得した。
「それが正解かなあ、演奏時間も長いから、じっくり仕上げたいと思うよね」
「プロなら無理やりに、もう一曲いれるけどね」
それでも少し寂しそうな祥子に光が提案。
「あの、僕も今回のコンサートで卒業なんです」
祥子は、当然なので「フン」と頷く。
光は祥子に頭を下げた。
「一度、先生とピアノ連弾とか、僕が指揮をしてコンチェルトを弾いてもらいたくて」
「今まで、大変お世話になったので」
祥子の顔が真っ赤になった。
「え・・・光君・・・いいの?」
「私は・・・プロっていっても、元プロ状態」
そこまでは普通の答えだった。
じっと見つめて来る光を見て、しどろもどろ状態になる。
「あ・・・最近食べ過ぎで・・・」
「えーっと・・・ドレスのウェストがきつくて・・・あの・・・」
「美容院を予約しないと・・・恥ずかしいかな」
「うーん・・・ダイエットしないと・・・」
光は、しどろもどろ状態の祥子の手を柔らかく握る。
「祥子先生、ドレスとか髪型の前に、曲を決めて欲しいんです」
祥子は、手まで握られて、身体がカチンコチン。
「えーっと・・・うーん・・・結婚行進曲じゃなくて・・・」
と、出て来る曲まで、お花畑になっている。




