うろたえる光、叱られシュンとなる華奈
真っ赤な顔でうろたえる光を、三体の異形が取り囲む。
弁財天
「光君!あなた18でしょ?あんな小娘の裸を見て、どうして赤い顔?」
白蛇精
「あのさ、あんな娘より私のほうがグラマーだよ、見るなら私を見て!」
メデューサ
「しっかり答えないと石にしてお持ち帰りするよ!」
そのうろたえる光に、援軍が現れた。
おなじみの地蔵菩薩だった。
「これこれ、そんなに責めてはなりません」
「光君は、その方面ではオクテなのです」
「それはご存知でしょう?皆様」
「ご自分の色気で、こんな若い男の子を弄ばないように」
その地蔵菩薩の出現は、異形三体も、腰を引くようだ。
弁財天
「まあ、仕方ないなあ、責めたかったのに」
白蛇精
「裏の顔は閻魔大王様、反抗できませんし」
メデューサ
「地蔵様に免じて・・・でも、恥じらう光君も可愛い」
そして地蔵菩薩が鈴を鳴らすと、三体の異形は、その姿を消した。
光は、地蔵菩薩に深く頭を下げる。
「助かりました、ありがとうございます」
地蔵菩薩は光の頭を撫でる。
「いえいえ、地獄や窮地から、苦しむ人を救うのが、地蔵の本願」
「何も心配はいりません」
「それよりも、滅びの集団の始末、お見事でした」
地蔵菩薩は、その言葉と同時に、姿を消してしまった。
「さて、学園に戻るか」
「始末」がつき、学園に戻ろうとする光に、華奈が迫った。
「ねえ!光さん!見たの?あの全裸美少女!」
光は、また、うろたえる。
「うん・・・見た」
華奈は、光のお尻をパチン、そして怒った。
「もーーー!どうして?私なんて見てもらっていない!」
「子供の時だけでしょ?」
光は、華奈の「怒り」に困惑する。
「そんなこといってもさ、阿修羅君に変化しているしさ、その時は阿修羅君の意志だもの、僕にはどうにもならないもの」
「見たくないと思っても見ちゃうもの」
ますます真っ赤になって、光を怒ろうとする華奈を、他の巫女たちが、押し留める。
春奈
「光君の言う通りだよ、仕方ないじゃない、それをどうしろって言うの?」
ソフィーは華奈に怒った。
「華奈ちゃん、どうにもならないことで、どうして短慮なの?」
「見てしまったことには仕方ないでしょ?光君の意志でもなく」
ルシェールも華奈に立腹。
「そもそも、自分から勝手に脱いだ女でしょ?光君を責めるのはお門違い」
「文句あるなら、華奈ちゃん、本当に脱げる?光君の前で」
華奈は、その言葉でシュンとなる。
「う・・・自信ない・・・恥ずかしい・・・」
肩を落とす華奈の手を、光はそっと握っている。




