VS滅びの集団(6)
尼僧の黒衣は、全て剥がれた。
そして、その身体に何もまとわない全裸の美少女が立っている。
その前を隠すこともなく、阿修羅に対峙している。
華奈が真っ赤な顔になった。
「あらーーー・・・マジに美胸、美脚、ウェストはしっかり締まって」
「モデルさんみたい・・・ああいう身体になりたい」
柏木綾子も、いつもの冷静さはない・
「うん!華奈ちゃんに賛成!はぁ・・・きれい・・・魅了ってこのこと?」
由香里も、最初は驚いた。
「マジにきれい・・・きれい過ぎるほど」
そして阿修羅を見る。
「阿修羅は表情に変化がない・・・ということは光君にも変化はないの?」
由紀は、難しい顔になる。
「光君は、そうなると女性の裸には反応しないの?あれほどの美女なのに?」
尼僧は、全裸のまま、美胸を揺らしながら、阿修羅に近づこうとする。
しかし、またしても足が動かない。
「阿修羅様・・・またしても、私を拒むの?」
「阿修羅様のために、身体を磨いて来たのに」
その美しい顔を泣き顔にして、阿修羅への接近を願う。
阿修羅の顔は、尼僧に対して冷静。
「裸になったところで」
「それが美しい美しくないで、阿修羅の気持が変わるものではない」
「お前は、ここで裸になり、何をしたいのか」
「そして、今まで何をして来たのか」
「ただ、その身体を信者にさらすという餌をまき、金をむさぼり取って来ただけだろう」
「その結果、お前に金を貢いだ男も、たまには女もいたけれど」
「全て、お前の身体の亡者となり、人間としての生活は破綻」
「そして、用済みになれば爆弾で破裂させる」
「それを大きくしたのが、今回の動き」
「星の運行から地球の破滅などと、知ったかぶりを言いふらし」
「無駄に金を集め、廃人を増やす」
「その集団を作って、都心まで歩みを進め、一斉に爆破」
「つまりは、テロ活動に過ぎない」
尼僧の全身が真っ赤に染まった。
「うるさい!」
「どの時代でも、私を拒絶して!」
「意地悪の繰り返し!」
「一度も抱いてくれたことないじゃない!」
「女を馬鹿にしないでよ!」
「殺すんだったら殺してよ!」
阿修羅は、何を言われても、動じない。
「阿修羅がお前を叩くことはない」
「お前のあざとさは、好きになれない」
「結界を張ったことをいいことに、裸になったのだろう」
「そうすれば人間には見えないからか」
「じゃあ、ここで結界を全て解けば、どうなる?」
尼僧は、ハッと両手で前を隠そうとする。
しかし、その手が硬直して、動かない。
阿修羅は、呆れたような顔。
「ほお・・・お前にも恥じらいがあったのか」
「とすると・・・女の罰は女に・・・」
その阿修羅の言葉と同時に、尼僧の前に五色に輝くく異形が登場した。
「・・・弁財天様?」
巫女たちの目が、一斉に弁財天に注がれている。




