「意外」な人物のヴォーカル参加と大興奮のダンス
その、「Shake a Tail Feather」は、レイ・チャールズ独特のパワフルなヴォーカルにての大ヒット曲になるけれど、光のイントロが始まった途端、「意外」な人物がステージにあがってきた。
そして、渋みとパワーが加わった声にて、歌いだしてしまう。
その人物に、まず由香利が目をパチクリ。
「マジ?親父?親父がR&B?」
由紀は、大笑い。
「いやーーー!上手い!かっこいい!」
ルシェールはうっとり。
「うーん!大人の男って感じ、いいなあ」
春奈は、ほれぼれ。
「はぁ・・・いいなあ・・・江戸の大親分・・・」
ソフィーは江戸の大親分のヴォーカルと光のピアノで踊り始めってしまった大群衆から目を離すことができない。
「光君のピアノも歯切れがよくてノリノリだけど、大親分のヴォーカルのパワーがすごい」
「こんな踊りが日本人は無理と思っていたけれど、すごいや」
「一糸乱れずってこのことかなあ・・・」
「私も踊りたくなってきたけれど、職務がなあ・・・」
どうしても公安、治安維持の職務が、この時ばかりは恨めしい。
華奈と柏木綾子は、並んで踊り出す。
華奈
「曲り角巫女には無理、こんなかっこいい踊りは」
柏木綾子
「華奈ちゃん、ありがとう」
「私も歌より、踊りたかった」
キャサリ、サラ、春麗はやはり警護を忘れない。
ステージの周囲で、踊る群衆を、歌いながら注視。
キャサリン
「みんなの目が澄んでいる」
サラ
「邪心を取り除く光君と大親分の音楽だもの」
春麗
「とにかく、すごい浄霊のパワーを感じる」
「Shake a Tail Feather」は、群衆大興奮の中、一旦は終わったけれど、やはりそれではおさまらない。
光が大旦那に声をかける。
「どうします?次はバラード?」
大旦那はにっこり。
「いいねえ、少ししっとりと」
光の静かなイントロで、「我が心のジョージア」がはじまった。
今度は、巫女たちのコーラスも加わった中での、大旦那のヴォーカル。
集まっていた群衆は、ため息。
「すごいダンスも楽しかったけれど、これも心に染みる」
「あのヴォーカルの男の人、かっこいいなあ」
「ピアノの男の子は、天使みたいに可愛いけれど、大人の男の人もメチャいい感じ」
「今日は幸せだ、こんな楽しい気分での銀座歩き」
「本当だね、彼らプロかなあ」
「バンド名とわからないけれど、CDとかあれば買いたいなあ」
そんな大好評の光と大旦那を中心にしたストリート演奏の中、ソフィーは近づいてくる数人の男を注視、少し苦々しい顔になっている。