阿修羅と御神霊の毎晩のベッドイン計画 しかし華奈は?
「本当はもっと楽しみたいけれど」
サラは、光の顔を、その豊満な胸から解放した。
光は息が荒い。
「苦しかった」とポツリ。
ただ、結界が解ける時間も迫っていたようだ。
二人とも、実にあっさりと着替え、「何食わぬ顔」で、朝食の場に。
朝食の場には、時間が早いのか、まだルシェールだけ。
ルシェールが笑顔。
「二人ともおはよう」
そのまま光を席に着かせ、ルシェールとサラはヒソヒソ。
ルシェール
「美味しかった?」
サラ
「アルテミス様からは、ありがとうと」
ルシェール
「それならいいかな、光君は?」
サラは笑った。
「ぎゅっと押し込んで、1分」
「気持ち良かったけど、光君がそれ以上は無理でしょ」
ルシェール
「私もそれくらい、後で倒れられても面倒」
サラ
「でもね、包みたくても、無理な人もいるし」
ルシェール
「それ・・・禁句、特にあの子には」
サラは深く頷いた。
「うん、元気だけが取り柄、それも可愛いけれど」
さて、そんなヒソヒソ話は、すぐに終わった。
「ガタン」と、玄関のドアが開き、華奈が血相を変えて飛び込んで来た。
「もーーー!光さん!」
「朝から何?顔が真っ赤!」
「どうもね、朝から胸騒ぎがすると思ったら、超おかしい!」
「メチャあやしい!」
「ん?何?この香り!」
「サラの匂いがする!」
あまりにもうるさいので、ルシェールが華奈を手招きした。
「いい?華奈ちゃん」
「これから毎晩、阿修羅様と巫女さんのバックにおられる御神霊との打ち合わせがあるの」
「光君と二人きりの一夜を過ごすんだけどね、形式としては」
「でもね、それを行うには、条件があるの」
華奈は、目がトロンとなった。
「え?・・・というと、光さんとベッドインできるの?」
「これで妻かなあ・・・やっとだ」
「私の健気な努力が報いられたんだ」
その華奈をルシェールが叱った。
「ねえ、しっかり最後まで聞きなさい」
「いい?私でも読めないほどの完全結界を作れる巫女に限るの」
「華奈ちゃんは出来る?」
「サラは完璧だったよ」
華奈の表情が変わった。
「え?出来るわけない・・・」
さっきまでの元気はどこへやら、すっかり落ち込んでいる。




