女子による「踊ってみた」品評会
巫女たちを代表して、春奈が光に尋ねた。
「ねえ、光君、いつそんな曲を知ったの?」
「パソコンで見たの?」
光の答えは、素直なもの。
「うん、見たのはパソコン」
「で、教えてくれたのは、サカラ神」
「神田明神でのパフォーマンスの時かなあ」
「何も知らないの?って挑発されてさ」
華奈はいつもの反応を見せる。
「光さんが、ミニスカで踊る女の子を見るのは気に入らない」
「でも、私が美脚を見せて、誘惑すればいいのか、これはシメシメだ」
その華奈を柏木綾子がたしなめる。
「そう?華奈ちゃんの脚に私負けないよ、だからそんな簡単にいかない」
由紀も華奈に苦々しい顔。
「今までずっと迫ってきて、フラれ続けの華奈ちゃんでしょ?脚を見せるだけで光君が誘惑されると思うの?」
そんな年下巫女のどうでもいい話を聞いていたルシェールが、全員に提案。
「ねえ、動画サイトで見て見ない?」
「私もそれほど見たことがないの」
由香里がその話に、すぐに乗った。
「そうだね、女子による女子の品評会をしようよ」
キャサリンはニコニコ。
「はい!では早速!」
サラは複雑。
「私みたなグラマータイプが踊っているのかなあ」
春麗はサラの腕を組んだ。
「中には、サラとかルシェールみたいな豊満タイプもいるかも」
「それはそれで、勉強になるよ」
さて、そんな話に入り込めない、踊りにも参加できない「年増」のソフィーは、面倒になった。
「ただ、若い娘たちの踊り動画を見るだけでしょ?」
「マジ、気に入らない」
と言いながら、早速タブレットを操作、壁に大スクリーンをおろして、「踊ってみた動画」を始めてしまった。
まずは光の口から出た「金曜日のおはよう」から。
そして、早速女子による女子の踊りの品評会が始まった。
春奈は厳しく、皮肉気味。
「うん、面白い、同じ曲と振り付けでも、女の子で全然違う」
「でもミニスカにして脚を出しても、美脚とまでは言えない女の子もいる」
ソフィーも辛辣。
「踊りにキレがあるタイプと笑顔だけのタイプ」
ルシェールは自分とサラの体型に近い女の子を探す。
「グラマータイプでも、カッコいい女の子もいる、だからサラも大丈夫」
由香里は元ダンス部、冷静に見る。
「でも、足が長い方が、軽やかに見える・・・でも足が長くても、踊りにタメライがあると重たい」
由紀は由香里に同感。
「そうだね、中途半端な動きは見ていて面白くない、せっかく踊るんだから」
華奈
「顔が正面を向いて笑っている子のほうが楽しい、踊りに自信がない子は下を向いて、踊りに必死だ」
柏木綾子
「背筋とか手足の伸ばし方、曲げ方で、すごく印象が違う、これは面白い」
キャサリン
「リズムがピシッと決まっている子と、どこか遅れる子がいるね、全然ダンス感が違う」
サラ
「それとクライマックス部分では動きにメリハリがあったほうがいいかな」
春麗
「わが中国人子女も上手だなあ、負けてはいられない」
・・・・そんな品評会が数十動画続く中、光はいつの間にか眠りこけている。




