表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/303

光のR&B演奏が始まる。

大楽器店の一階のステージにて光の珍しいR&Bスタイルの演奏が始まった。

最初は、「I Can't Stop Loving You」。

巫女たちのコーラス、光のピアノとヴォーカルは、すぐに来店客を集めることになった。

また、銀座の街を歩く人々も、歌声や口コミで、どんどん店の中に入って来る。


「女の子たちも可愛いし、歌も上手だけど、あの男の子が超美形でピアノも歌もこの世のもの?」

「ズンと心に染みるなあ」

「若々しい声の伸び、ハーモニーがきれい」

「音楽って楽しいなあ、ずっと聞いていたい」


すでに聴衆は300名を超えたかもしれない。

途中から、ソフィーは警護を考えるべく、コーラスを抜けるしかなかった。


ソフィーは、所轄の警察官に、少し頭を下げる。

「ごめんね、こういう話になってしまうの、あの光君がストリート演奏をすると」

その警察官は苦笑。

「ソフィー様の依頼となれば断れないですし、その上、光君です」

「それにしても・・・今はバラードだから大人しく聞いているけれど」


ソフィーも警察官の危惧はわかっていた。

「そうだね、ダンスナンバーになると、全員踊り出すね」

「まるで、ブルースブラザーズの映画みたいに」

「歩行者天国で良かったなあ・・・でも、警備が間に合うかなあ」


ソフィーと警察官が、少々不安顔になっている時点で、由香利の父が歩いて来た。

そして、ソフィーと警察官に声をかける。

「ああ、心配しなくていい」

「俺の子分が場所を作る」

「署長の許可も取った、二つ返事さ」


ソフィーと警察官が驚いていると、由香利の父の言う通り。

歩行者天国の真ん中に、光と巫女たちが乗るステージとピアノとマイクセット。

踊る場所のスペースも作られ始めている。


光と巫女たちのR&B一曲目が終わった。

囲んでいた聴衆から、万雷の拍手。

光が、恥ずかしそうに立ち上がると、また万雷の拍手。


春奈が光の脇をツンとつつく。

「このノロマ、手を振って応えなさい、教師命令だよ」

光は、「あ、そうか」と、素直に手を振ると、万雷の拍手とアンコールの大合唱。


由香利が、スッと春奈を押しのけ、光の脇に。

「光君、親父が歩行者天国にステージ作った」

「ダンスナンバーをすると、この楽器店では危険だから、そっちに行こう」

光が、「うん」と頷くと同時に、グイと光と腕を組んでしまい、ついでに他の巫女たちも、グイグイ押しのけ、歩行者天国のステージに光を引きずっていく。


春奈をはじめとして、他の巫女が何も言えない、できないほどの由香利の強さである。

ただ、これほどの聴衆に囲まれている状態、恥ずかしい巫女バトルを繰り広げることはできない。

結局、光を由香利に奪われた巫女たちは、落胆を強く覚えながら、歩行者天国のステージに立つことになった。


さて、巫女同士の心理など、よくわからない光は、のん気なもの。

「じゃあ、二曲目に行こうかな」

と、そのまま「Shake a Tail Feather」と、ダンスナンバーのイントロを弾きだしてしまう。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ