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楓の恋(8)

楓が光たちと一緒に、家に入ると、巫女たちが大歓声。


春奈

「えーーーー?楓ちゃん!どうしたの?すっごい美人!」

ソフィー

「うわーーー!化粧品のモデルみたい!」

柏木綾子

「前に見た時と全然違う」

由香里

「あらーーー!可愛い!そのまま妹にしたい」

華奈の母美紀も、目をぱちくり。

「ほー・・・圭子さんが言うはずだよ、いや・・・ここまで変わる?」


ルシェールが顔を真っ赤にする楓を抱きしめる。

「楓ちゃんも恋の季節だね」

「応援するから、任せて」


楓は、ほめられるやら、デートの前のドキドキやらで、落ち着かない。

それでも、ピアノの上に置いてある、光の母菜穂子の写真に向かい、目を閉じ、手を合わせる。

「菜穂子叔母さん、楓です」

「今日は、よろしくお願いします」


そんな儀式も終わり、光が珍しく気を利かせて、楓に珈琲を出す。

「斎藤さんは、もう少ししたら来るよ」

「それまで珈琲飲んで気持を落ち着けて」


楓は、「え?」と身体を固くする。

珈琲カップを持つ手が、ブルブルと震える。

「無理・・・珈琲飲めない」

「こぼしちゃう」

結局、珈琲カップをテーブルに置き、洗面台に走る。


春奈はじっとその様子を見る。

「髪の毛を治すのかな」

ソフィーは腕を組む。

「あそこまで緊張するとは」

美紀は肩をすくめた。

「まあ、仕方ないよ、ほぼ初恋で」

華奈は不安になった。

「楓ちゃん、粗相するかも」

ルシェール

「それをさせないのが、私たち」

由紀

「粗相すると反動が恐ろしいから」

由香里

「また暴飲暴食に走る?」


他の巫女たちも不安になる中、玄関のチャイムが鳴った。

そしてインタフォンから斎藤の声。

「斎藤です、本日はよろしくお願いいたします」

さすが柔道選手、挨拶も硬い。


光が玄関に出て、ドアを開ける。

斎藤は、きちんとした紺のブレザースーツ。

実に大きな真紅の薔薇の花束を抱えている。


「楓ちゃん、来ているよ」

斎藤の顔は、真っ赤。

「うん、がんばるよ、いろいろ、ありがとう」


楓も顔を赤くしたまま、玄関に向かった。

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